2000 Fiscal Year Annual Research Report
透析用内シャントの狭窄に対する血管形成的における放射線治療の有効性の検討
Project/Area Number |
12670865
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
野本 由人 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (10252363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 一寅 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (10293789)
加藤 憲幸 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (40214390)
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Keywords | 透析用内シャント / 経皮的血管形成術 / 放射線治療 |
Research Abstract |
透析患者の内シャントはしばしば狭窄をおこし、これに対して保存的治療法として径皮的血管拡張術(PTA)が行われるが、約半数で再狭窄を生じて再度PTAを必要とし、また、再狭窄を生じた場合、PTAを施行しても有効期間は約半年といわれている。本研究の目的は再狭窄を起こした部位にPTAを施行した直後に治療部位に放射線照射を行い、再狭窄を防ぐことにあるが、これまでの文献検索による検討で、狭窄は内シャントの動静脈吻合部の静脈側に生じる確率が高いことがわかってきた。動脈の再狭窄に対する放射線治療の有効性はほぼみとめられているが、静脈のPTA後の再狭窄については文献的にもあまり報告がない。そこで研究の第一段階として、静脈の狭窄モデルを作成することを試みている。実験動物として3.5〜4Kgのウサギを用いた。麻酔後、まずウサギの両側の頚静脈の血管造影を行ってcontrolの血管径を確認したのち、一側の静脈にバルーンカテーテルを挿入し、血管径より1〜2mm大きいバルーンを用いてこれを拡張し、静脈の血管内皮に損傷を与えた。内皮損傷の治癒過程で内皮の過剰新生が生じれば、静脈の狭窄として現れるので、約半年の経過観察予定で、血管造影にて健常側との血管径の比較を行っている。観察期間終了後は、処置を行った部位とcontrolの部位の病理組織学的検討を行う予定である。静脈の狭窄が血管造影上、あるいは組織学的に認められた場合、照射により内皮の過形成が抑制されるかどうかの実験に移行する予定である。
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