2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670868
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富樫 かおり 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90135484)
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Keywords | 子宮 / MRI / 平滑筋 |
Research Abstract |
子宮蠕動と呼ばれる内腫直下筋層のリズミカルかつ微細な収縮運動は昨年度の検討でも精子の輸送等、月経に関する諸症状、妊孕性など子宮の機能密接な関連が示されたがまだまだ未知の部分が多い。本年度は子宮蠕動の日内変動の有無、月経時の痛みと子宮蠕動・更年期女性の子宮に見られる蠕動について検討した。 生殖可能年齢ボランテイアにおいてみられた蠕動の主たる方向は月経時には体部から頸部へ、排卵時には頸部から体部と、各々月経血の排出、精子の輸送に合目的的であり、蠕動運動と妊孕性や月経に関する諸症状との密接な関連が示唆された。月経時には一般低部から頸部にむかうゆっくりした大きな動きが見られるのが普通であるが、月経困時疼痛の程度の強い人ほど、子宮底部が収縮によって小さくT2強調画像にて低信号を呈する傾向が見られた。また、月経開始から時間が1日以上たつと疼痛の軽減と同時にMRで見られた強い収縮が認められなくなった。月経痛は個人差が大きく、痛みという主観的な症状のためともするとヒステリーとさえいわれることもあり、軽視されがちであったが、MRIによって痛みを目に見える形で評価できれる可能性が示された。日内変動の有無についての検討は月経期、排卵直前、黄体期において、一日4回の検査を行い、月経時には日内変動があるが、他ではあまり明瞭でないことがわかった。閉経後女性では子宮蠕動の有無とjunctional zoneの見え方について検討を行い、junctional zoneが認められなかったグループのの閉経からの平均年数は23年で、この全員で子宮蠕動もとらえることができなかった。junctional zoneの描出の有無は子宮蠕動の有無と一致していること、junctional zoneの描出や蠕動の有無は閉経後の年数と密に関連することが示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Togashi K, et al.: "The junctional zone on MR imaging : continuous changes on ultrafast images"Journal of Woman's Imaging. 3:3. 89-93 (2001)
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[Publications] Togashi K, et al.: "Anatomy and Physiology of the Female Pelvis : MR Imaging Revisited"JMRI. 13. 842-849 (2001)
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[Publications] Togashi K, et al.: "Benign Conditions Simulating Gynecologic Malignancies on MR Imaging"The Radiologist. 8. 163-173 (2001)
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[Publications] 富樫かおり, 他: "MR functional anatomy of uterus"日本放射線学会雑誌付録. 60:9. 2-5 (2000)
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[Publications] 富樫かおり, 他: "特集:Women's Imaging 画像診断が子宮疾患の診断に果たす役割"日獨医報. 45(3). 416-427 (2000)
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[Publications] 富樫かおり, 他: "婦人科領域のMRI"日本医学放射線学会雑誌. 62. 7-16 (2002)
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[Publications] 富樫かおり, 他: "medicina"CT・MRIアトラス-正常解剖と読影のポイント、腹部-各論「子宮」. 6 (2001)