2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670876
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
森 泰胤 香川医科大学, 医学部, 助手 (50253282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 均 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10116402)
大川 元臣 香川医科大学, 医学部, 教授 (70028629)
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Keywords | フリーラジカル / 造影剤 / MRI / ヒドロキシルラジカル / ESR / EPR |
Research Abstract |
Gd-DTPA, Gd-HP-DO3A, GdDTPA-BMAは,MRI造影剤として用いられている。ランタノイド族Gd3+は7個の不対電子を持つ常磁性体としての磁気モーメントを有する。Gd3+イオンのDTPA, DTPA-BMA, HP-DO3Aによるキレートは安定化したGd3+錯体を生成する。フリーラジカル消去能について、Electron Paramagnetic Resonance spectroscopy(EPR)を用いて、5, 5'-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide(DMPO)によるスピントラップ法で検討を重ねた。 第一に、前年度の追試を行った。方法については昨年度と同様である。すなわち、下記のとおりである。Gd-DTPA, Gd-HP-DO3A, GdDTPA-BMAを0mM-10mMの濃度に希釈した。ヒドロキシラジカルは希釈した過酸化水素溶液に対して20秒間の紫外線照射を行い発生させた。DMPO-OHラジカルによるEPRシグナルはJEOL TE-300 X-bandスペクトロメーターを用いて室温で計測した。これらのラジカル消去能の評価はDMPO-ヒドロキシラジカルによるEPR信号強度と比較して行った。 これら全てのGd3+錯体において前年度同様に容量依存性のラジカル消去能を認めた。しかし、前年度消去能に差が認められていたが、追試の結果、上記三種類のラジカル消去能に有意差は認められないことがわかった。これらの原因としては、DMPOの不安定さの影響、造影剤自体が錯体であるうえに添加物が加えられていることなどが、結果に影響を与えているためと考える。 現在、DMPOに変わる新しいスピントラップ剤が開発されてきており、平成14年度は新しいスピントラップ剤を用いて実験を行い、検討する予定である。
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