2001 Fiscal Year Annual Research Report
MRによる非観血的温度観察下での肝腫瘍のレーザー治療に関する基礎的及び臨床的研究
Project/Area Number |
12670882
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入江 裕之 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉満 研吾 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20274467)
黒岩 俊郎 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (00225278)
本田 浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90145433)
相部 仁 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40304810)
|
Keywords | レーザー / 局所温熱療法 / MRモニタリング |
Research Abstract |
本年度の研究実績 1)転移性肝腫瘍に対するレーザー治療を施行する基礎的検討として、in vitroとin vivoの動物肝を使用して、様々にレーザー治療のパラメーターを変化させ、その壊死範囲を肉眼的、病理組織学的に検討した。使用装置は波長1064nmのNd : YAGレーザーを発生するDornier Medilas Fibertom 5100 (Dornier Medizintechnik, Germany)である。i)レーザー出力(5-25W)と壊死容積、ii)レーザー照射時間(5-20分)と壊死容積、iii)in vivo肝とin vitro肝での壊死容積の3項目の関係について検討した。その結果、壊死容積は最大出力の25Wの時に最大で、レーザー照射時間に比例して増加することが判明した。また、in vivo肝とin vitro肝での壊死容積は前者が後者のおよそ9分の1となった。 従って、実際の臨床応用において、効果的に短時間の治療を行うためには、レーザー出力を出来るだけ高くするべきと考えられた。 2)1)において、治療をモニターするMR撮像法の検討を行った。対象はin vitroとin vivoの動物肝で、出力ワット数25W、10Wで照射を行った。磁場強度0.2Tの常伝導型オープン型MR装置のMAGNETOM OPEN VIVA (Siemens, Germany)を使用し、2種の高速シークエンスー2D-FLASHとTrue FISPによりこれらの治療効果をリアルタイムにモニターした。MR撮像法によるレーザー治療中の動物肝組織のMR信号の変化と、実際の壊死範囲を肉眼的、病理組織学的に比較検討した結果、治療効果のモニターには2D-FLASHが優れていることが判明した。 3)MRモニター下手技として、上記の高速シークエンスの2D-FLASHを用いて転移性肝腫瘍、肝細胞癌に対し生検を施行し、手技の安全性を確認した。同時に、レーザー照射に際し使用するアプリケーターの安全性の確認を施行した。 4)今後は、転移性肝腫瘍、肝細胞癌を有する患者に対し、レーザー治療を施行し、その効果、安全性について、検討を加えてゆく予定である。
|