2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨盤部高分解能MRIによる癌の微小浸潤の診断能の検討
Project/Area Number |
12670883
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
中園 貴彦 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70325611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 祥 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50161641)
水口 昌伸 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50219622)
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Keywords | 経直腸コイル / フェイズドアレイコイル / 前立腺癌 / 子宮頚癌 / 直腸癌 |
Research Abstract |
本年度は経直腸コイルと、フェイズドアレイコイルのコンパチビリテイーキットを用いて実際の症例の撮像を行った。前立腺用コイル、子宮頚用コイル、直腸用コイルを使って前立腺癌、子宮頚癌、直腸癌の撮像を行い、適切な撮像条件の設定や、以前の経直腸コイルを用いずに撮像した症例との、局所の描出能の差を検討した。直腸コイルの併用により、前立腺癌に関しては前立腺の内部構造(内腺、外腺の区別)の描出や、癌の描出、被膜構造のより詳細な評価が可能であり、特に手術適応に関係する被膜外浸潤の診断能の向上がみられた。また前立腺周囲の精嚢腺、膀胱の描出にも優れ、周囲臓器への浸潤の評価が容易になった症例もみられた。子宮頚癌では従来の撮像法よりも、微小な病変の描出が可能であり、また子宮体部、膣への浸潤の有無、子宮傍組織への浸潤の評価も良好であった。直腸癌に関しては、直腸壁の層構造の良好な描出が可能であり、早期直腸癌の正確な深達度診断の可能性が考えられた。また研究会等に参加し、他施設の研究者との撮像条件や、深達度診断の向上、直腸コイルの固定法に関する情報交換も行った。今後は症例を増やして、経直腸コイルとフェイズドアレイコイル併用撮像の有用性を従来の撮像法と比較し、統計学的に検討する予定である。また例えば造影なしのT2強調画像と、造影剤投与後のダイナミックスタディとの比較等、撮像法の違いでの診断能の差なども検証していきたい。以上の結果を研究会、学会等で報告していく予定である。
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