2000 Fiscal Year Annual Research Report
肝血流動態の肝細胞アシアロ糖タンパク受容体量と肝機能への影響
Project/Area Number |
12670893
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
藤森 研司 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80264539)
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Keywords | 肝機能 / アシアロ糖タンパク / Tc-99m-GSA |
Research Abstract |
Tc-99m-GSA(galactosyl human serum albumin)は肝細胞のみに存在するアシアロ糖タンパクの受容体に結合し、肝機能を評価できる新しい放射性医薬品として注目を受けている。一般的には肝内の受容体分布はほぼ均一であり、個々の肝細胞が持つ受容体量は一定と考えられており、受容体の総量から肝細胞数を推定することができ、99mTc-GSAの集積性が肝機能を代表するパラメーターと考えることができる。 肝は肝動脈と門脈の二重支配を受ける特殊な臓器であり、臨床の場で門脈枝の狭窄や閉塞により99mTc-GSAの局所的な集積低下を示した症例を経験する。このような状況下では、肝動脈血流量が代償的に増加すると信じられているが、どの程度まで肝機能を代償するか、あるいは他の領域の機能はどのように変化するかは未知の問題である。今回の研究ではラットの部分的門脈あるいは肝動脈閉塞モデルにより、肝血流の低下と肝機能の低下を99mTc-GSAを使用してアシアロ糖タンパク受容体量の変化を観察し、肝血流量と肝機能の関係を検討している。 二ヵ年の研究予定で、平成12年度は肝のアシアロ糖タンパク受容体量の推定精度をあげる、理論的な検討を主としておこなった。この検討に供する動物実験モデルの作成は困難を感じているが、次年度は手技的な改善を試み、有用なデーターを得たい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤森研司,庄内孝春,小井戸一光,吉田悟,武田美貴,山直也 他: "非線型3コンパートメントモデルにょる99mTc-GSA受容体量の推定-採血を要しない受容体結合型モデル-"核医学. 36. 753-760 (1999)
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[Publications] Fujimori K,Ichimura K,Hirokawa N,Takeda M,Yama N,Yoshida S,Shounai T,Koito K,Hareyama M: "Segmental Decreased Uptake of 99mTc-labeld Galactosyl-Neoglycoalbumin in Non-tumorous Liver Tissue : Sensitivity Analysis of the Factors Influencing Liver Uptake with Non-Linear Compartment Model"J Nucl Med. 41. 319 (2000)