2002 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病、及びうつ病の感情認知に関する脳機能画像研究
Project/Area Number |
12670932
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
大森 晶夫 福井医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80242593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 義晴 福井医科大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (60135572)
山田 弘樹 福井医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70252004)
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Keywords | 表情認知 / 感情 / fMRI / SPM / familiarity / 扁桃体 / 後部帯状回 / 精神分裂病 |
Research Abstract |
平成12年度、13年度に施行した健常者と精神分裂病患者における感情認知課題遂行中のfMRI研究の結果をまとめ、精神分裂病では感情を含む情報入力に関する扁桃体のフィルター作用が障害されている可能性を、Schizophrenia Research誌に発表した。 感情を含む表情認知の際の扁桃体を中心とした神経網機能の相互関連について検討するために、陰性の感情価をもつ表情、陽性の感情価をもつ表情、中立的な表情、それぞれを提示する感情価判断課題と性別判断課題を作成し、まずは健常者16人の課題遂行中の脳賦活を3.Teslaの高磁場MR装置を用いて調べた。解析の結果、両表情課題ともで両側の前頭前野、外側紡錘状回、下後頭葉皮質などが有意に賦活したが、扁桃帯の賦活は有意ではなかった。当初の目的である扁桃体を中心とした神経網の検索という結果が得られなかったため、患者群への応用は行わなかった。ただし、本実験では刺激として見知らぬ20人の顔を18回ずつ反復提示しているため、扁桃体活性にhabituationが生じた可能性もあり、セッションを重ねるに連れて賦活が減少する脳部位と、逆に増加する部位を解析した。その結果、セッションに連れて両側扁桃体と左内側紡錘状回の賦活が減少する一方で、両側後部帯状回の賦活が増加していた。すなわち、見知らぬ顔を繰り返し見る際に、その顔に対してhabituationが生じる一方でfamiliarityを獲得していくのに、扁桃体と後部帯状回が相補的に機能していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kosaka H, Omori M, Murata T, et al.: "Differential amygdala response during facial recognition in patients with schizophrenia : an fMRI study"Schizophrenia Research. 57. 87-95 (2002)