2000 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムとアルツハイマー病発症機構との因果関係に関する研究
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12670935
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏木 雄次郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60314308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 祐 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70291440)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10273632)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294068)
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Keywords | アルツハイマー病 / アルミニウム / アポトーシス / 軸索輸送 / 細胞骨格蛋白 / ニューロフィラメント / プレセニリン / ノックインマウス |
Research Abstract |
1、すでに我々が報告したラットの初代培養神経細胞の場合と同様に、マウスでも、軸索形成初期のアルミニウム・パルス曝露により、細胞骨格蛋白ではニューロフィラメントのみが細胞核周囲への蓄積を認め、チュブリン、アクチンはこのような蓄積を認めなかった。また、軸索輸送蛋白では、キネシン、シナプトフィジン、GAP43がアルミニウムにより輸送障害を呈していた。また、この軸索輸送障害に続いて、アポトーシスによる遅発性の神経細胞死が生じていた。軸索輸送障害とアポトーシスの関連について、アルツハイマー病ではNGFの逆行性軸索輸送障害の可能性が指摘されているが、本実験系においても、NGFの逆行性軸索輸送障害を認めた。 2、初代培養系で示したアルミニウムによる細胞骨格蛋白の異常が、アルミニウムを妊娠母体の腹腔内に投与することで、出生仔の脳(in vivo系)においても同様に起こり得るのか検討した。アルミニウムの母体腹腔内投与により、仔マウスの大脳各部位でneurofilamentの線維構造が減少・消失し、代償的にビメンチンの線維構造が増強していた。また、仔マウスの神経機能発達において、アルミニウム投与群では対照群よりその神経機能発達の遅延を認めた。 3、アルツハイマー病関連遺伝子である変異プレセニリン1の遺伝子導入マウス(ノックインマウス)の大脳灰白質において、homozygousではheterozygousよりもneurofilament陽性の線維構造に乏しく、corticogenesisの異常が疑われた。さらに、このノックインマウスにおいてアルミニウムを母体腹腔内投与したところ、仔マウスの大脳各部位でheterozygousやwild typeにおいてもneurofilament陽性の線維構造の減少が認められた。
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