2000 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス関連転写調節分子を介するヒトβ1アドレナリン受容体遺伝子発現調節機構
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12670961
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松井 宏晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90181685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 幹雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70103504)
廣井 朋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20238398)
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Keywords | β1アドレナリン受容体遺伝子 / デキサメサゾン / 転写抑制 / CREB |
Research Abstract |
1 RT-PCR法により、ヒト神経芽細胞腫SY5Y細胞にβ1およびβ2アドレナリン受容体mRNAが存在することを確認した。mRNAの量比は、ほぼ1:1であった。 2 [125l](-)iodocyanopindolol結合実験の結果、SY5Y細胞は、β1およびβ2アドレナリン受容体タンパク質をほぼ1:1の量比で発現していた。 3 グルココルチコイド受容体アゴニスト、デキサメサゾン(DEX)処置すると、結合実験では、β2受容体:β1受容体比は増加した。このとき、RT-PCR法でmRNAの半定量を試みると、β2受容体mRNA:β1受容体mRNA比は増加していた。従って、DEX処置により、β2受容体遺伝子の転写は促進され、一方、β1受容体遺伝子の転写は抑制された。 4 β1受容体5'非翻訳領域およそ3kbの領域を順次欠失し、pGL2 Basicベクターに連結し、プロモーター活性測定用ベクターを構築した。 5 ルシフェラーゼ活性を指標に、DEX処置のβ1遺伝子転写への影響を調べると、翻訳開始点から、5'上流-450bpの領域が、DEX処置によるβ1受容体遺伝子転写抑制に関与する領域であることがわかった。 6 この領域には、AGACCAから構成される、1/2GR結合配列、TGACGCGAから構成されるCREB結合配列が存在する。1/2GR結合配列を介して、β1遺伝子転写が抑制される可能性がある。さらに、グルココルチコイド受容体がCREBと結合することにより、最終的に、CREBがCREB結合配列に結合することによりもたらされるβ1受容体遺伝子転写活性の増加を抑制する(減弱させる)可能性がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 渡辺直樹: "強迫スペクトラム障害(OCSD)の概念"臨床精神薬理. 3・5. 557-566 (2000)
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[Publications] 廣井朋子: "遺伝子の基礎知識、運動分子生物学"山田茂,後藤勝正 編. 27 (2000)
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[Publications] Satoko Nagumo: "Characterization of 5'-flanking promoter region of the human β-amyloid protein Precursor like protein 2 gene"Takeshi Kato ed.. 4 (2000)