2000 Fiscal Year Annual Research Report
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん原因遺伝子の同定とクローニング
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12670967
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
海老原 充 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (80232974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大羽 尚子 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, テクニカルスタッフ(研究職)
吉川 武男 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, チームリーダー(研究職) (30249958)
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Keywords | BAFME / FEME / Epilepsy / FAME |
Research Abstract |
BAFME患者及びその家族のDNAを用い、ABI Mapping Panelによる10cMマーカー全ゲノムスキャンを行った。その結果、すでに報告されていた染色体8番のほか、2番、7番、10番、17番において有意なロッドスコアを得た。さらに細かなマイクロサテライトマーカーを用いて、ハプロタイプ解析を行った結果、患者のみでハプロタイプが保存されているのは、8番染色体であることが判明し、BAFMEの原因遺伝子は、8q23-24領域に存在することが強く示唆された。また、founder effectを仮定して解析したところ、8q23-24のごく狭い領域でジェノタイプの保存が確認されたが、これがfounder effectを示唆するものかは、さらに細かな検討を要する。 8q23-24領域、及びその周辺領域に存在するてんかんの候補遺伝子として、3つのカリウムチャンネル遺伝子を同定し、BAFME患者における変異を解析したが、ORF、スプライシング・コンセンサス、さらにプロモーター等、どの領域にも変異は見つけられなかった。この領域には、他にカリウムチャンネルが存在しないことから、BAFMEの原因遺伝子は、従来のてんかんの原因遺伝子とはことなることが示唆された。 すでに作成したBACコンティーグを用い、エクソン・トラッピングを行ったが、もっとも高いロッドスコアを示したマイクロサテライトマーカー(D8S1779)の近傍約2Mbにおいて、候補遺伝子を見つけることはできなかった。また、既存のESTマーカーをハイブリダイゼーション法によりBACコンティーグにマップした結果、D8S1779の周辺部は遺伝子が疎になっていることが示唆され、エクソン・トラッピングの結果を裏づけた。さらに、2001年1月に発表されたヒト・ドラフト・ゲノム配列を検索したところ、D8S1779周辺には遺伝子がみつからず、検索範囲を広げる必要があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hattori,E.,Ebihara,M.,Yamada,K.,Ohba,H.,Shibuya,H.,Yoshikawa,T.: "Identification of a compound short tandem repeat stretch in the 5'-upstream region of the cholecystokinin gene, and its association with panic disorder but not with schizophrenia."Molecular Psychiatry. (in press).
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[Publications] 海老原充: "遺伝子ビジネス革命・入門の入門"あさ出版. 215 (2000)