2001 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン-12と転写因子STAT4の制御するターゲット遺伝子の解明
Project/Area Number |
12670976
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山本 晃 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00281717)
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Keywords | インターロイキンー12 / 転写因子 / STAT4 / パーフォリン |
Research Abstract |
1、目的 我々は、インターロイキン(IL)-12、受容体、JAKキナーゼ、転写因子STAT4のシグナル伝達経路を明らかにしてきたが、その下流で制御される標的遺伝子については不明のままである。IL-12はNK細胞による細胞傷害性の作用を増強する。そこで、NK細胞の分泌する細胞傷害因子であるパーフォリン(Pf)のプロモーター領域について検討した。 2、方法と結果 ヒトNK細胞株をIL-12で刺激し、RNAを抽出してノザーンブロットを行なうと、Pf遺伝子の発現の増強が認められた。Pf遺伝子のプロモーター領域には、STAT結合配列(TTCNNNGAA)に類似した配列が数ヶ所認められた。STAT結合配列が二つ並んだ部分(-1089から-1081と-1063から-1055)を用いてゲルシフトアッセイを行なったところ、STAT1, 3, 4, 5の結合が認められた。このSTAT結合配列に変異を加えると、ゲルシフトアッセイで、STAT4の結合が認められなくなった。Pf遺伝子のプロモーター領域を用いて、ルシフェラーゼアッセイで解析すると、転写活性が認められた。二つ並んだSTAT結合配列の片方づつに点変異を加えると、いずれか一方に変異を加えるだけで転写活性が著しく低下した。これらのことから、Pf遺伝子のプロモーター領域にある二つのSTAT結合配列の両方が転写には必要であることがわかった。 3、結論 Pf遺伝子の発現の制御には、プロモーター領域にある二つの並んだSTAT結合配列が重要であり、サイトカイン、JAKにより活性化されたSTATが二量体や四量体になって、並んだSTAT結合配列に結合する機序が考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Arai, Y.Nosaka, E.Kanda, K.Yamamoto, N.Miyasaka, O.Miura: "Rapl is activated by erythropoietin or interleukin-3 and is involved in regulation of betal integrin-mediated hematopoietic cell adhesion"J Biol Chem. 276. 10453-10462 (2001)
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[Publications] Nakashima, O., Terada, Y., Hanada, S., Yamamoto, K., Kuwahara.M., Sasaki, S., Marumo, F.: "Activated STAT1 suppresses proliferation of cultured rat mesangial cells"Kidney International. 57. 2249-2257 (2000)
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[Publications] 山本 晃: "JAK/STATと炎症"炎症と免疫. 9. 70-76 (2001)
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[Publications] 山本 晃: "サイトカインシグナル伝達とJAK、STAT活性化機構の多様性とその意義"臨床免疫. 35. 782-789 (2001)
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[Publications] 山本 晃: "ヒト末梢血Tリンパ球活性化におけるSTAT5a/bの役割"臨床免疫. 35. 227-232 (2001)
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[Publications] 山本 晃: "炎症シグナル伝達の制御および遺伝子操作、STAT"医学のあゆみ. 190. 922-927 (1999)
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[Publications] 山本晃: "分子生物学キーワード辞典、JAK、発現クローニング"医学書院(印刷中). (2002)