2001 Fiscal Year Annual Research Report
白血病で高発現しているWT1を標的とした抗腫瘍免疫療法
Project/Area Number |
12670987
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20273691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾路 祐介 大阪大学, 医学部, 助手 (20294100)
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Keywords | WT1 / 白血病 / 癌ワクチン / 臨床試験 |
Research Abstract |
我々は多くの白血病や骨髄異形成症候群(MDS)において核内タンパクWT1が高発現していることを見い出し,そのWT1を標的とした抗腫瘍免疫療法の確立を目指して研究をすすめてきた。すでに,我々は,ヒト末梢血リンパ球よりWT1特異的なCTLの誘導が可能であること,さらに,WT1ペプチドで免疫(vaccination)されたマウスは移植されたWT1高発現腫瘍細胞を高率に拒絶することを示してきた。 平成13年度は上記の研究成果をさらに発展させ,より強力かつ有用な白血病ワクチンの開発を目指すこと,および,できるだけ早期に実際の臨床応用に近づけることを目標に研究を進め,以下の成果を得た。 1)WT1特異的CTLを誘導することがすでに示されているWT1ペプチド(9a. a.)のAnchor Motif部位の1つのアミノ酸を他のものに置換したWT1ペプチドを用いることにより,より強力なCTLをより高い確率で誘導することを試み,予想通りのHLA-A24.2拘束性の改変WT1ペプチドを同定することができた。この改変ペプチドは白血病やMDSに対する免疫療法の臨床応用に非常に有用と考えられる。 2)造血器腫瘍だけでなく,肺癌などの多くの固型癌においてもWT1が高発現しており,それらもWT1ペプチド癌ワクチンの標的細胞となり得ることを明らかにした。現在,さらに症例を増加させつつある。 3)造血器悪性疾患,肺癌,乳癌に対するWT1ペプチド癌ワクチンの第1相臨床試験を平成13年12月より開始した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hosen, N., et al.: "Very low frequencies of human normal CD34+ hematopoietic progenitor cells express the Wilms' tumor gene WT1 at the levels comaprable to those in leukemia cells"British Journal of Haematology. (in press).
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[Publications] Elisseeva, O.A. et al.: "Humoral immune responses against Wilms' tumor gene WT1 product in patients with hematopoietic malignancies"Blood. (in press).
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[Publications] Oka, Y.et al.: "WT1 as a novel target antigen for cancer immunotherapy"Current Cancer Drug Targets. (in press).