2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群の発症と進展に関わる遺伝学的負荷と染色体遺伝子変異
Project/Area Number |
12670999
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Research Institution | Kyoto Prefecture University of Medicine |
Principal Investigator |
堀池 重夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10209273)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / 急性骨髄性白血病 / 遺伝子変異 / DNA修復遺伝子 / DNAミスマッチ修復遺伝子 / 悪性リンパ腫 / エクソンイントロン構造 |
Research Abstract |
今年度はDNA修復に関与する遺伝子群について、エクソン・イントロン構造の同定とエクソンの増幅に必要なPCRプライマーならびに増幅至適条件の設定を行い実際に変異のスクリーニングを行った。 DNA修復遺伝子群68遺伝子のcDNA情報を新規ソフトウェア「Genalys」にロードし、NCBI-BLASTから得たゲノム情報との比較により、各遺伝子のエクソンイントロン境界を設定した。この結果明らかになったエクソンを増幅するように設定したPCRプライマーで、実際に産物が得られるかを検定した。次に塩基配列決定用プライマーを400塩基対以内で上流下流の双方から塩基配列が判読できるように設定し、実際にシーケンサでトレース像が得られることを確認、16検体分の情報をGenalys上にアプライして正確に判読できるか否かを検定した。 以上の作業により、68種の修復遺伝子群の1108エクソンのうち、924については終了、940エクソンについては条件設定終了、972エクソンについてはPCR増幅まで完了した。 条件設定の対象とした68種のDNA修復遺伝子のうち、DNAミスマッチ修復遺伝子群に属する6種(hMLH1,hMSH2,hMSH3,hMSH6,hPMS1,hPMS2)については、悪性リンパ腫48例および骨髄異形成症候群48例、急性骨髄性白血病48例で変異の解析を行った。97エクソンのうち79エクソンで解析を成功し、coding領域の塩基配列では17,961塩基中14753塩基(82.1%)をカバーしたことになる。リファレンスとなるゲノム情報との相違が見られたのは、イントロン部を含めると146箇所におよび、うち31箇所がcoding領域での変異であった(hMLH1:7箇所,hMSH2:1箇所,hMSH3:3箇所,hMSH6:2箇所,hPMS1:0,hPMS2:9箇所)。
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[Publications] Horiike S, Kita-Sasai Y, Nakao M, Taniwaki M: "Configuration of the TP53 gene as an independent prognostic parameter of myelodysplastic syndrome"Leukemia Lymphoma. (in press). (2003)
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[Publications] Nomura K, Sekoguchi S, Ueda K, Horiike S, Nishida K, Nakamura S, Taniwaki M.: "Differentiation of follicular from mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma by detection of t(14;18) on single-cell preparations and paraffin-embedded sections"Genes Chromosomes Cancer. 33(2). 213-216 (2002)