2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球酵素異常症の診断,分子異常の同定ならびに細胞レベルでの溶血機序の解明
Project/Area Number |
12671009
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Research Institution | Tokyo Women 's Medical University |
Principal Investigator |
藤井 寿一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70107762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 仁 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70221207)
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Keywords | 遺伝性非球状性溶血性貧血 / 赤血球酵素異常症 / グルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症 / ピルビン酸キナーゼ異常症 / 赤血球変形能 |
Research Abstract |
国内並びに海外の諸施設より依頼された遺伝性非球状性溶血性貧血症例49例について検索し、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)異常症9例とホスホグリセリンキナーゼ異常症1例を新たに発見した。ピルビン酸キナーゼ(PK)異常症の分子異常の同定に関しては韓国人症例を解析した。症例は6歳の男児で、新生児期に重症貧血と黄疸により交換輸血を受けているHb 6.0g/dl、網赤血球5.5%、血清総ビリルビン4.7mg/dlで、4〜6週毎に赤血球輸血を受けてる。遺伝子解析により1231A(Gly411Ser)変異が明らかになった。家系調査では発端者は1231Aに関してホモ接合体、両親および妹はヘテロ接合体であることが明らかになった。本例は韓国人症例では初めて分子異常が同定されたPK異常症であり、1231Aは現在までに報告の無い新規の変異である。G6PD Aは黒人で頻度が高い変異酵素で、感染、酸化的薬剤の服用やfava beanの摂取により急性溶血発作を来す。G6PD Aの分子異常は376A→G(Asn26Asp)単独、ないし202G→A(Val68Met)、680G→T(Arg227Leu)、又は968T→C(Leu323Por)の重複変異によることが明らかになっている。われわれは3歳の日本人男児で、Hb 9.6g/dl、網赤血球2.9%、間接ビリルビン3.9mg/dlと急性溶血発作を来したG6PD異常症症例(G6PD Asahi)を発見した。遺伝子解析の結果、G6PD Asahiの分子異常は202G→A(Val68Met)であり、この変異単独でも急性溶血発作を来すことを明らかにした。PK異常赤血球の細胞レベルでの機能解析に関しては、シリコン単結晶基盤に微細な溝(マイクロチャネル)のアレイの作製は6μmまでが技術的に限界で、より生理的な条件である2、3ないし4μmの溝のアレイの作製が出来なかった。従って、PK異常モデルマウス赤血球とgenetic rescueしたマウス赤血球、並びにヒト正常赤血球とPK異常症患者赤血球との間で赤血球変形能の違いを見出すことは出来なかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Iwai, K., Hirono, A., Fujii, H., Miwa, S., Ishii, A, et al: "Distribution of glucose-6-phosphatedehydrogenase mutations in Southeast Asia"Hum. Genet.. 108(6). 445-449 (2001)
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[Publications] Taki, T., Hirono, A., Fujii, H., Miwa, S., et al: "A new glucose-6-phosphate dehydrogenasevariants Sugao (826C→T)exhibiting chronic Hemolytic anemia with episodesof hemolytic crisis immediately after birth"Int. J. Hematol.. 74. 153-156 (2001)
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[Publications] Hirono, A., Kawate, K., Honda, A., Fujii, H., Miwa, S.: "A single mutation202 G→A in human glucose-6-phosphate dehydrogenase (G6PD)gene can causeacute hemolysis by itself"Blood. 99(4). 1498 (2002)