2000 Fiscal Year Annual Research Report
CLC-K1クロライドチャネル欠損マウスを用いた.尿濃縮機構の解明
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12671028
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 信一 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (50262184)
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Keywords | クロライドチャネル / ノックアウトマウス / 尿濃縮 |
Research Abstract |
CLC-K1ノックアウトマウスの尿濃縮障害の原因を探るためノックアウトマウスの腎機能を精査した。クリアランススタディーの結果はノックアウトマウスでみられた多尿は溶質利尿ではなく水利尿であることが判明した。クロライドチャネルノックアウトマウスではクロライド利尿が起こる可能性も考えられていたが実際には起きておらず、CLC-K1で再吸収するクロライドイオンは体液全体のクロライドイオンバランスには関与していないか、またはより遠位側のヘンレの太い上行脚でのクロライド再吸収が代償していると考えられた。 尿濃縮能の低下の原因は、対向流系の破綻による髄質の高浸透圧環境維持の破綻によるものと考え、実際にノックアウトマウス腎臓髄質の組織浸透圧を測定したところ、野生型に比し低下しており、その低下は脱水環境下でも改善されず、仮説が裏付けられた。また興味深いことに、蓄積の障害されている溶質はクロライドイオンだけでなく、尿素、ナトリウムイオンの蓄積も障害されており、髄質内対向流系はそのイオン、溶質輸送に関わる輸送体が個別にその蓄積を行っているのではなく、一つのシステムとして働いて高浸透圧環境を作っているという今までの仮説がはじめてin vivoで実証された。この高浸透圧形成不全は組織の浸透圧により発現の制御されているオスモライト関連遺伝子であるアルドースレダクテースの発現状況からも裏付けられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] AKIZUKI,K.,UCHIDA,S. et al: "Impaired solute accumulation in inner medulla of clcnkly-Mice kidney"Am.J.physiol. 280. F79-F87 (2001)
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[Publications] UCHIDA,S: "In Vivo Role of CLC chloride channel in the kidney"Am.J.Physiol. 279. F802-F808 (2000)