2001 Fiscal Year Annual Research Report
腎での脂質結合蛋白、ペルオキシゾーム誘導因子応答性受容体、レチノール受容体の生化学的,組織化学的検討
Project/Area Number |
12671034
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Research Institution | FACULTY OF MEDICINE FUKUI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 秀樹 福井医科大学, 附属病院, 助手 (20283187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 博 新潟大学, 医学部, 助教授 (90165340)
鈴木 亨 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00206484)
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Keywords | kidney / PPAR / FABP / cell culture / PAI-1 / CETP / eosinophil |
Research Abstract |
1)病的腎組織でのLBP、PPARの検討 脂質結合蛋白(特に肝型と心筋型FABP)、PPARの病的腎組織での発現を免疫組織化学的手法で解析した。移植腎(虚血腎)では、一部の近位尿細管上皮の細胞質で肝型FABPの発言が増強し、遠位尿細管での心筋型FABPの発現は正常と同様であった。PPAR-αも近位尿細管上皮の細胞質にその発現が増強していた。間質性腎炎では、一部の近位尿細管上皮の核内にPPAR-αと肝型FABPの発現を認め、同蛋白の核内での相互作用が推測された(腎腫瘍摘出標本からの正常ヒト腎組織より、肝型FABPを精製し、結合脂質を解析したところ、PPAR-αの活性化物である長鎖脂肪酸の存在が判明した)。また、好酸球浸潤性の間質性腎炎では、好酸球でのPPAR-γ発現が認められた一方で、浸潤マクロファージでの同蛋白の発言は軽度であった。膜性腎症では、PPAR発現は正常と同様の分布であったが、尿細管上皮の核内での発現は、正常よりも頻度が高かった。 2)培養ヒト腎尿細管上皮細胞での検討 培養ヒト腎尿細管上皮細胞(3-6番目の継代細胞)でLBPとPPARsの発現を検討した。蛍光抗体法では、肝型FABP、PPAR-α、γ、PAI-1の発現が確認された。Immunoblotting法では、FABPとPPAR-α,γ、PAI-1の発現が認められた。培養上清にはPAI-1の分泌がみとめられ、hydrocotisoneとepinephrin、低酸素刺激でその分泌が増加することが判明した。 3)腎障害進展因子と腎不全下での血管疾患の危険因子の臨床的検討 脂質代謝に関与するコレステロール転送蛋白(CETP)の臨床的意義を検討するため、HDL-C値とCETP値を含めた臨床所見と血管疾患を血液透析患者で解析した。その結果、CETPはHDL-C値の高値群で血管疾患に保護作用を有することが判明した。糖尿病性腎症の進展に伴い、尿中PAI-1値は増加し、尿中NAG、尿糖に正相関する。他の腎疾患では、この変化は認められなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kimura H: "Cholesteryl ester transfer protein as a protective factor against vascular disease in hemodialysis patients"Am. J. Kidney Dis.. (2001)
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[Publications] Kimura H: "Effects of PAI-1 4G/5G genetic polymorphism on fibrinolytic system and nephropathy progression in NIDDM patients. Recent Advances in Diabetic Nephropathy"Proceedings of the 15^<th> Niigata Symposium of Nephrology Diabetic Nephropathy -from Bench to Bedside-. 15. 64-71 (2001)
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[Publications] Yamamot C: "Experimental glomerulonephritis induced by Haemophillus parainfluenzae in murine model"Nephron. (in press).