2001 Fiscal Year Annual Research Report
バゾプレシン腎作用におけるオキシトシン受容体の役割の検討
Project/Area Number |
12671044
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
安藤 康宏 自治医科大学, 医学部, 講師 (50212676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 修 自治医科大学, 医学部, 助手 (10285778)
草野 英二 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50102249)
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Keywords | バソプレシン / オキシトシン / 集合尿細管 / ヘンレの太い上行脚 / cyclic GMP / uroguanylin |
Research Abstract |
尿細管でのオキシトシン作用の検討の一環として以下の実験を行った。 オキシトシンのナトリウム利尿作用が、ANPやNOなどサイクリックGMP(cGMP)をセカンドメッセンジャーとするホルモン、生理活性物質を介している事が知られているので(Favaretto et al. Peptide 18:1377,1997)、オキシトシンの腎作用におけるcGMPの関与の可能性を検討した。CGMP産生刺激物質としてuroguanylin(UG)を用い、またより直接的にcGMPの作用を見るために8-bromo-cGMPを用いた。本来のテーマから多少はずれるが、オキシトシンのみならず、ANP、guanylin, NOなどcGMP stimulating substancesは一様にin vivo studyでは明かなナトリウム利尿作用が認められているが、詳細なネフロン上の作用部位については、相容れない報告が併存し、不明な部分が多々残されているのでこの点の解明も目的の一つであった。 ラット皮質部集合管ではANP, UG, cGMPとも明かな作用が認められていない(Schlatter, et al. Am J Physiol : F1158, 1996)のでウサギの単離灌流尿細管を用い、また管腔側からの作用は全く検討されていないのでこれも検討した。ヘンレの太い上行脚皮質部(CAL)、同髄質部(MAL)、及び皮質部集合管(CCD)、髄質部外側集合管(OMCD)、髄質部内側集合管(IMCD)の単離灌流下で、UG基底膜側に100nMおよび1μM、あるいは管腔側に1μMを投与したが、いずれの部位においても有意な経上皮電位(Vt)変化は見られなかった。またANPのセカンドメッセンジャーであるcyclic GMPのMALおよびCCDにおける作用を1μM〜1mMの8-bromo-cGMPの管腔側投与で観察したところ、MALでは有意なVt変化は見られなかった。CCDでは1mM投与時に基底膜側バソプレシンV2受容体作用あるい高濃度の基底膜側オキシトシン投与時と類似した、一過性過分極に続く脱分極がみられ、上皮の水透過性も更新した。しかしこれは比較のために投与した8-bromo-cAMPに比して10〜100倍の濃度を要したことから、cGMP固有の作用ではなく、高濃度の8-bromo-cAMPがcross-reactionによってcyclicAMP系のシグナル伝達経路を刺激する非特異的作用であることが疑われた。
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