2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12671053
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 元 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30231517)
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Keywords | Na-K-2Cl共輸送体 / Na-Cl共輸送体 / tubulo-glomerular feedback / 腎不全 / マクラデンサ |
Research Abstract |
ラット腎皮質に存在するNa-K-2Cl cotransporter(NKCC)及びNa-Cl cotransporter(NCCT)遺伝子ファミリーに共通する塩基配列を有する部分について9種類のdegenerate primerを設計し、それらを用いた7種類の組み合わせによるRNA-PCRを、正常ラット腎と5/6腎摘腎不全モデルラット腎について行い、得られた結果を比較検討した。その結果両者で有意な差異が見られたDNAフラグメントについて塩基配列を部分的に決定したところ、2種類についてはNKCC-NCCTファミリーに属する未知のspliced variantであることが確認できた。両フラグメントよりDNA probeを作成しRNA protection assayにて5/6腎摘腎不全モデルラット腎にて有意に遺伝子発現が増強していることを確認した。次に両フラグメントの腎内発現部位を同定するため、microdissectionによるnephron subsegmentにおける発現をRNA-PCR法にて検討したところ1種類についてはヘンレ上行脚の皮質部分(cTAL)に強い発現が見られたため、さらに特異的なprimerを作成し、in situ PCR hybridizationを試みた。その結果macula densa部付近での強い発現が確認され、同フラグメントはmacula densa部においてhyperfiltrationにより発現が誘導される可能性が強く示唆され、機能ネフロン減少時(腎不全時)における糸球体硬化との関連に興味が持たれる結果が得られたと考えられた。現在血管結紮法による腎不全モデル、糖尿病モデル、高張食塩水負荷モデルにおける同遺伝子の発現変化を検討すると共にノックアウトモデルでの検討を準備中である。
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