2001 Fiscal Year Annual Research Report
血圧調節における新規食塩耐性蛋白の機能解析・分子機構の解明
Project/Area Number |
12671059
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
辻 恵美子 福岡大学, 医学部, 助手 (10248495)
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Keywords | 食塩感受性 / 高血圧 / 分子生物学 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
我々は酵母の塩分耐性因子HAL-1の機能的相補性を利用して、ラットの腎臓より食塩負荷により発現が増強する遺伝子Salt-tolerant protein (STP)を分離同定した。STPは、低分子量G蛋自Cdc42と相互作用する蛋白と相同性があることが報告されており、今回、低分子量G蛋白とSTPの相互作用を証明した。 (1)トランスジェニックマウスの作製、解析 現在、F2マウスのスクリーニング中である。現在のところ、ホモ接合体は得られていない (2)Cdc42,ブラジキニンとの相互作用の検討 ブタ腎近位尿細管由来LLC-PK1細胞、COS-7細胞にSTPの野生型、変異型の遺伝子を発現させ、STP、Cdc42の発現の検討を行った。さらにCdc42は、細胞骨格形成・維持に関わっているため、アクチンファイバーの発現についても検討した。野生型、変異型で細胞骨格形成に差が認められた。 (3)STPの標的蛋自質の同定 STPが低分子量G蛋白Cdc42と相互作用をすることをTwo-Hybrid systemを用いて明らかにしたが、Cdc42がbradykinin、Na-H exchangerなどの作用発現に深く関わっていることから、これら分子とSTPとの関与を検討した。 (4)ヒト腎癌組織よりRNAを抽出し、RT-PCRを行い、変異の検索を行っている。現在、約30例について解析を終了したが、明らかな変異は見いだしていない。
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