2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒツジ胎仔低酸素性脳神経障害におけるアポトーシスからみた神経細胞死誘導機構の解明
Project/Area Number |
12671060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
室月 淳 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50239555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
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Keywords | 脳神経障害 / アポトーシス / 胎児 |
Research Abstract |
現在までに6頭の妊娠ヒツジによる胎仔急性低酸素モデルを作製し,低酸素胎仔(n=4)とSiamcontrol胎仔(n=4)より脳組織サンプルを採取した.40回程度の断続的な臍帯圧迫により予定の胎仔動脈血pH6.9〜7.0に達した.予備実験の段階で,単純な低酸素血症,酸血症のみでは胎仔の脳組織に大きな神経障害をなかなか来さないことが明らかになったので,低酸素負荷に加えて急性脱血による虚血低灌流負荷を行い,その48時間後に胎仔から脳組織を摘出するプロトコールに変更した.その結果,通常のHE染色では,大脳の海馬C1領域と小脳顆粒細胞に変性などの組織変化を認めた.TUNEL染色によりアポトーシスの有無を確認したところ,組織障害部位に一致して陽性細胞が確認された.ただしこれはネクローシスなどによる非特異的反応の可能性は否定できない.そこで今後はsingle-strand DNAを同定するIn situ nick translationを行うため準備中である.またマウスなどの予備実験の結果では,急性ストレスに対しては,caspase 8からcytochromeC流出,そしてcaspase 3の活性化がアポトーシス誘導の道筋と予想されたため,免疫組織染色によってヒツジ胎仔脳組織においてその部分を確かめる.生存シグナルの視点からは,PI3KやAkt,ERKの増減に重点をおいて組織解析を進める予定である.
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