2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体磁気計測を利用した胎児の中枢神経機能の発達評価に関する研究
Project/Area Number |
12671061
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀米 仁志 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50241823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 啓二 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
重光 貞彦 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20235526)
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Keywords | 胎児 / 自律神経系 / 出生前診断 / 生体磁気計測 / 心磁図 / 心拍変動 / 周波数解析 / 超伝導量子干渉素子 |
Research Abstract |
胎児生体磁気計測を応用した胎児中枢神経機能評価の第1段階として、心拍数変動周波数解析による胎児の自律神経系の発達評価を試みた。対象は妊娠24-38週の胎児とし、磁気シールドルーム内に設置された日立製64チャネルのSQUlD磁束計を用い、1kHzのサンプリング周波数で2分間胎児心磁図を計測した。 はじめに胎児心磁図法による心室脱分極波形の記録成功率を検討した結果、R波ピークの検出率は90%に達した。その中でR波のピークが安定して明瞭に記録できた32例に対してR-R間隔を求め、高速フーリエ変換(FFT法)により、心拍数変動の周波数解析を行った。周波数領域の評価法は成人の方法にならい、交感神経系の活動指標としてLF領域(0.04-0.15Hz)、副交感神経系の活動指標としてHF領域(0.15-1,00Hz)のパワーを求めた。 計測時に心拍数図上active phaseを示していたものは22例、resting phaseを示していたものは10例であった。LF領域のパワーはactive phaseで有意に高く、妊娠週数の進行に伴って漸増する傾向が認められた。一方、HF領域のパワーはactive phaseとresting phaseとの間に差が少なく、妊娠週数による有意な変化もなかった。従って、胎児心拍数変動周波数解析による周波数領域のパワーを自律神経系活動の指標と考えると、妊娠後期1/3(3rd trimester)においては週数の進行とともに交感神経系活動の有意な増加がみられるのに対して、副交感神経系活動は一定の水準に留まっていることが示唆された。また、胎児心磁図法は時間分解能が良好なため、従来できなかった高精度の胎児心拍数変動解析を非侵襲的に実現できることが判明した。
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Research Products
(1 results)