2002 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠・授乳期母体へのダイオキシン類化学物質暴露に伴う児への毒性と発現機序の研究
Project/Area Number |
12671064
|
Research Institution | Tokyo Woman's Medical University |
Principal Investigator |
河野 由美 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50243390)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三科 潤 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60277192)
武良 哲雄 鳥取大学, 医学部, 助教授 (80093631)
|
Keywords | ダイオキシン / 胎児 / 新生児 / CYP1B1 / 臍帯血 / 喫煙 |
Research Abstract |
胎児期における外来有害物質への暴露は児の発育,発達に影響を及ぼす可能性があるが暴露バイオマーカーは知られていない.そこで本年度はこれまでに確立したcompetitive RT-PCR法により,化学物質暴露に誘導されることが知られている,CYP1B1およびCYP1A1のmRNA発現を臍帯血単核球中で定量分析した.さらに種々の周産期因子、母体の喫煙などの出生前因子とCYP1B1 mRNAレベルの関連を検討し,臍帯血単核球CYP1B1 mRNAの胎児の有害物質暴露のバイオマーカーとして有用性について考察した 臍帯血,成人血ともに単核球中のCYP1B1mRNAは検出できたが,CYP1B1にくらべCYP1A1は低値であった.臍帯血でのCYP1B1 mRAN量は15.0±23.1amol/μgRNA(mean±SD),GAPDH mRNAとの比は0.0419±0.0424,個体間差は1.4logで,成人血と同レベルであった.臍帯血中のCYP1A1 mRAN量は0.0021±0.0034amol/μgRNA, GAPDH mRNAとの比は0.0000064±0.0000082でCYP1B1にくらべ10^3order低値であった.臍帯血単核球のCYP1B1 mRNAと出生体重,在胎週数,性,母体年齢,同胞数に有意な関係は認めなかった. 測定したCYP1B1,CYP1A1 mRNAと両親の妊娠中の喫煙との関係について,自己申告による妊娠中の喫煙が1日10本以上を喫煙ありとして検討した.CYP1B1,CYP1A1 mRNAのGAPDH比,出生体重について多重比較検定をおこなった.母親のみ喫煙の例はなく,両親とも喫煙ありは3名,父親のみ喫煙ありが6名,両親とも喫煙なしが15名であった.CYP1B1 mRNAレベルに両親の喫煙は有意な影響を与えなかった.CYP1A1mRNAも同様に両親の喫煙と有意な関係は認めなかった.出生体重は両親とも喫煙ありで有意に低値であった.
|
Research Products
(1 results)