2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671068
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
清水 浩 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90260843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 真 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286045)
荒川 浩 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90271238)
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Keywords | 肺サーファクタント / サーファクタントサブタイプ転換 / surface area cycling / 胎便 |
Research Abstract |
肺胞II型細胞によって合成・分泌された肺サーファクタント(large surfactant aggregates;LA)は、肺胞腔の気液界面において表面活性を発現した後に、活性のない肺サーファクタント(small surfactant aggregates;SA)へと転換される。この反応はサーファクタントサブタイプ転換と呼ばれ、胎便の存在下では転換が促進される。本年度は、サーファクタントTA(S-TA)を用いて、胎便がサーファクタントサブタイプ転換への及ぼす影響を検討した。S-TAはサーファクタント蛋白質B、Cを含有するが、Aを含まない人工肺サーファクタントである。人工サーファクタントと天然サーファクタントとのサーファクタントサブタイプ転換を比較することによって、サーファクタント蛋白質Aのサーファクタントサブタイプ転換への関与を明らかにすることを目的とした。Surface area cycling法というin vitro呼吸運動モデルを用いて、サーファクタントサブタイプのLAからSAへの転換率を評価したが、胎便によるS-TAのサブタイプ転換は胎便濃度依存性に促進された。また蛋白分解酵素阻害剤(dilsopropyl fluorophosphate;DFP)はS-TAのサブタイプ転換を抑制した。S-TAの増量によってもサブタイプ転換は抑制された。これらの成績は天然サーファクタントで得られた成績と同様であり、サーファクタント蛋白質Aはサーファクタントサブタイプ転換には関与していない可能性が示された。現在はさらにsurface area cycling後のサーファクタント蛋白質A、Bの含量の変化を免疫ブロッティングで検討中である。 胎便のサーファクタントサブタイプ転換促進作用に関与していると考えられるDFP結合蛋白質の解析では、本年度はConAセファロースによるアフィニティカラムによる精製を行いアミノ酸配列を解析したが、純度が十分でなかった。次年度はさらに精製方法を検討し、胎便中のDFP結合蛋白質を同定することを予定している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koji Kanoko,Hiroshi Shimizu,Hiroshi Arakawa,Yunosuke Ogawa.: "Pulmonary surfactant protein A in sera for assessing neonatal lung maturation."Early Human Devolopment. 62巻1号. 11-21 (2001)
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[Publications] 清水浩,荒川浩,小俣真,佐野仁美,小川雄之亮: "肺胞蛋白症"日本胸部臨床. 59巻11号. S256-S262 (2000)
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[Publications] 清水浩,李光薫,小川雄之亮: "Rosen-Castleman-Liebow症候群(pulmonary alveolar proteinosis)"小児科診療. 64巻増刊号. 175 (2001)
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[Publications] Hiroshi Kawasaki,Hiroshi Shimizu,Yunosuke Ogawa.: "Surfactant inactivation by meconium components : Effects of phospholipase A_2 and free fatty acid"Am J Respir Crit Care Med. 161巻3号. A657 (2000)
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[Publications] Ryota Kakinuma,Hiroshi Shimizu,Yunosuke Ogawa.: "Identification of dilsopropylfluorophospate binding protein in meconium in association with surfactant subtype conversion."Am J Respir Crit Care Med. 161巻3号. A657 (2000)