2001 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース応答性インスリン分泌とその破綻の分子機構
Project/Area Number |
12671100
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢野 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30288576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 隆司 千葉大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50302568)
|
Keywords | インスリン分泌 / MIN6細胞 / サブクローニング / ディファレンシャルディスプレイ / Tet-Onシステム / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
【目的】グルコース応答性インスリン分泌に関わる遺伝子の解明のために、膵β細胞株MIN6細胞を限界希釈して得られたコロニーを単離し、グルコース応答性インスリン分泌が良好なm9株と、不良なm14株をサブクローン化した。本研究では、この2つのサブクローン化したMIN6細胞を用いて、グルコース反応性インスリン分泌機構とその破綻に関与する遺伝子を網羅的に同定し、それぞれの遺伝子のインスリン分泌における役割を解析する。 【本年度の研究実績の概要】 蛍光ディファレンシャルディスプレイ法、データベース検索およびノザン法によりm9株とm14株の間で発現量の異なる遺伝子を複数個同定した。すでに単離しているpTet-onを安定発現するm14株(m14-Tet-On)は、ドキシサイクリンの存在下でテトラサイクリン応答エレメント(TRE)に結合しプロモーターを活性化する特性を有し、刺激-時間制御が可能な系である。M14株でm9株に比べ発現量の低下が認められたStanniocalcin遺伝子をこの複合プロモーターの下流に連結し、m14-Tet-Onに再び安定発現させるべく遺伝子導入した。20個余りのクローンをすでに単離した。Stanniocalcinは細胞内カルシウム調節に重要なホルモンであることが知られている。Stanniocalcinの発現低下がm14株のインスリン分泌障害の原因の一つである可能性があり、糖尿病との関与も示唆される。得られたクローンを用いてドキシサイクリンによる誘導前後でインスリン分泌や代謝の変化、形態、細胞内カルシウム動態、細胞膜電位の変化などさらに機能解析を行なう予定である。
|
-
[Publications] Sunaga Y: "The effects of mitiglinide(KAD-1229), a new anti-diabetic drug, on ATP-sensitive K^+ channels and insulin secretion : comparison with the sulfonylureas and nateglinide"Eur J Pharmacol.. 431. 119-125 (2001)
-
[Publications] Ueno H: "Characterization of the gene EPAC2 : structure, chromosomal localization, tissue expression, and identification of the liver-specific isoform"Genomics.. 78. 91-98 (2001)
-
[Publications] Kashima Y: "Role of cAMP-GEFII--Rim2 complex in incretin-potentiated insulin secretion"J Biol Chem.. 276. 46046-46053 (2001)