2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671102
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三井田 孝 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (80260545)
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Keywords | 動脈硬化 / HDLコレステロール / コレステリルエステル転送蛋白 |
Research Abstract |
今年度は以下の検討を行った。 1)高HDL群の男女差 健康診断でHDL-C≧100mg/dLの高HDL血症を指摘され、二次精査に同意して外来を受診した男性26例、女性57例(計83例)について解析した。男性高HDL群ではCETP massの平均値は1.6±0.6mg/mL、女性高HDL群では2.5±0.8mg/mLと男性で有意に低かった(p<0.001)。一方健康診断を受診しHDL-C<100mg/dLの正HDL群のCETP mass平均値は男性で2.2±0.5mg/mL(P<0.0011vs.男性高HDL群)、女性で2.4±0.5mg/mL(P<0.01vs.男性正HDL群群、N.S.vs.女性高HDL群)であった。CETP massが正HDL群の平均-2SD未満である者は、男性高HDL群で46.2%(12例)いたのに対し、女性では24.6%(14例)しかいなかった。逆にCETP massが正HDL群の平均+2SDをこえる者は男性高HDL群には認めなかったのに対し、女性では8.4%(5例)認められた。 2)高HDL血症群における虚血性心疾患のスクリーニング 上記の83例の高HDL群のうち、同意を得られた42例(男性12例、女性29例、21〜73歳、全例が無症状)にトレッドミル運動負荷試験を行った。2例(4.8%)で有意な虚血性ST低下(陽性)を、1例(2.4%)で0.5mmのST低下(心筋虚血疑い)を認めた。残りの39例中4例(9.5%)で運動負荷により血圧が著明に上昇したが、有意なST変化は認めなかった。また1例は安静時心電図でWPW症候群を認め、運動負荷によりST低下が出現したが偽陽性と考えられた。運動負荷心電図で陽性の2例、心筋虚血疑い1例、WPWによる疑陽性例1例の計4例に運動負荷タリウム心節シンチグラムを施行した。運動負荷心電図陽性の2例中1例(50歳の男性)が運動負荷シンチグラムでも陽性で、残りは陰性であった。そこで本症例を入院させ冠動脈造影を行ったが、全く正常であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 和田玲子他: "髄液中化学成分14項目の基準範囲の設定"臨床科学. 30・2. 627-630 (2001)
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[Publications] Sakatsume M, et al.: "Novel glomerular lipoprotein deposits associated with apolipoprotein E2 homozygosity"Kidney International. 59・5. 1911-1918 (2001)
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[Publications] Taira K, et al.: "LR11, a mosaic LDL receptor family member, mediates the uptake of apoE-rich lipoproteins in vitro"Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology. 21・9. 1501-1506 (2001)
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[Publications] Okumura-Noji K, et al.: "Cholesteryl ester transfer protein-deficiency causes slow egg embryonation of Shistosoma Japanicum"Biochemical Biophysical Research Communications. 286・2. 305-310 (2001)
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[Publications] 三井田孝: "Preβ1-HDL:動脈硬化のマーカーとしての可能性"循環器科. 50・5. 417-424 (2001)
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[Publications] 三井田孝他: "HDL-コレステロールとそのみかた"Geriatric Medicine. 39・3. 485-496 (2001)
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[Publications] 三井田孝他: "トリグリセライド、HDLと動脈硬化(HDLの疫学について)"フジメディカル出版. 314 (2001)