2000 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化および動脈石灰化病変の成り立ちにおけるビタミンDの役割に関する研究-マクロファージにおけるビタミンD活性化の意義-
Project/Area Number |
12671121
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 大阪市立大学, 医学部, 講師 (90260801)
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Keywords | インターフェロンγ / 活性型ビタミンD / マクロファージ / 動脈硬化 / 血管石灰化 / サイトカイン / アポEノックアウトマウス / ビタミンD受容体ノックアウトマウス |
Research Abstract |
(1)マクロファージにおける1αOHaseの発現調節機序について ヒト単球様細胞株(THP-1)を100nM phorbol esterで24時間処理することによりマクロファージに分化させた(THP-1Mφ)。THP-1MφにIFN-γを作用させると、48時間までに1αOHaseの遺伝子発現が誘導され、この誘導はIFN-γの濃度依存的に上昇した。また、THP-1Mφにおける1αOHase活性もIFN-γにより上昇した(317±28.1vs.1.29±1.29pg/mg protein)。IFN-γによる1αOHaseの誘導はL-NAMEおよびL-NMMAの存在下でも認められたことから、一酸化窒素(NO)は関与していないと考えられた。 (2)1,25(OH)2D3の血管石灰化に対する作用の検討 ヒト血管由来平滑筋細胞(HVSMC)をヒト末梢血由来の単球(CD14+cells)またはTHP-1MφとをIFN-γおよび1,25(OH)_2D_3存在下で共存培養することによりHVSMCが石灰化能を獲得する。この際、HVSMCにおけるアルカリホスファターゼ(ALP)の発現が強く誘導される。このALP誘導の機序につき検討した。ALPの誘導はIFN-γと1,25(OH)_2D_3の相乗作用によるもので、チロシンキナーゼがシグナル伝達に重要であることが示唆された。また、この誘導にはマクロファージに由来する液性因子の関与が示された。さらに、gp130が関与するサイトカインとくにOSMおよびLIFが共存培養系におけるALPの誘導に関与している可能性が示唆された。しかし、これらの因子は直接HVSMCに作用するのではなく、マクロファージ機能の調節に関与しているものと推察された。 (3)In vivo研究のための準備 ApoE(-/-)VDR(-/-)マウスが作製された。現在、血管病変について検討中である。
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Research Products
(1 results)