2001 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン12導入樹状細胞を用いた癌免疫遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
12671145
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 直哉 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60251451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
|
Keywords | 遺伝子治療 / ウイルスベクター / 樹状細胞 / OK-432 / インターロイキン12 |
Research Abstract |
レトロウイルスベクターを用いたIL-12遺伝子導入樹状細胞を臨床に応用するためには,good manufacturing practiceに準拠して樹状細胞を生産する体制をとる必要がある.臨床に用いるスケールで,GMPレベルを満足するような細胞調整を行うためには,手間,コスト,時間などで困難が伴う.この点を克服するために,われわれは臨床グレードの医薬品を用いて「IL-12遺伝子導入樹状細胞」と同様の効果が得られる方法があるかどうかを検討した.そこで癌の治療薬として臨床での使用が認められた医薬品の一つであるOK-432のもつ免疫学的な作用に着目し、樹状細胞と組み合わせることで,癌に対する有効な治療プロトコールの開発の可能性について検討した.まずOK-432の樹状細胞に対する作用をin vitroで検討するために,マウス骨髄から樹状細胞を誘導し,培養5日目の樹状細胞の培養液中にOK-432を10μg/mlとなるように添加した.OK-432を添加せずに7日間培養した樹状細胞を対照とした.それぞれの樹状細胞の表面抗原をFACSで解析するとOK-432を培養液中に加えて培養した樹状細胞では,副刺激分子であるCD80, CD86, CD40の発現に増強が確認された.そこで樹状細胞の培養上清中に含まれるIFN-YとIL-12の濃度をELISAを用いて経時的に測定した.すると,いずれのサイトカインもOK-432で刺激をした樹状細胞からは大量に分泌されることが確認された.この結果から生体内に投与された樹状細胞をOK-432を用いて刺激することにより,IL-12が誘導されると考えられる.このことは前述したようなIL-12遺伝子導入樹状細胞を用いた遺伝子治療によらずとも,OK-432と樹状細胞を組み合わせて治療することにより相同な効果が得られる可能性を示唆するものであり,さらに詳しく検討中である.
|
Research Products
(1 results)