2000 Fiscal Year Annual Research Report
外科的モデルを用いた膵、特にβ細胞再生の機序に関する研究
Project/Area Number |
12671158
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
角 昭一郎 島根医科大学, 医学部, 講師 (80252906)
|
Keywords | 膵再生 / 膵切除 / 膵管結紮 |
Research Abstract |
9週令雄性Wistarラットを用いて、70%膵切除、70%膵管結紮あるいはSham手術を施行し、各群を2分して、一方は通常の粉末飼料、もう一方には30:1の割合でパンクレアチンを混入した飼料を与え、手術8日後にエーテル麻酔下に大動脈より採血して犠死せしめた。70%膵切除は門脈上で膵を離断し尾側を切除し、70%膵管結紮は同部位で膵を結紮離断して尾側膵を温存した。Sham手術では、開腹後、同部位で膵を同定したが、結紮や切離は行わなかった。現在まで各群6〜7匹の実験を終了した。検討項目は、体重と膵(頭側の残存膵と尾側の切除あるいは結紮部位の2部分)および胃の湿重量を測定した。膵組織は組織学的検討(H-E染色、インスリン染色およびPDX-1とPTF-1に対するin situ hybridization)のために固定後パラフィン包埋し、一部は蛋白・DNA・RNA量およびインスリン含量測定のために凍結保存した。血液は血清および血漿を分離して、凍結保存している。Sham手術群における湿重量の実測値では、残膵相当部分が約35%で、実際には65%程度の膵切除となっていた。残膵湿重量は切除および結紮群でSham群に比べて有意に増加していたが、パンクレアチン投与の影響は認めていない。胃湿重量は切除群で結紮およびSham手術群より有意に増加していたが、パンクレアチンの影響は認めていない。いまのところ、結紮した尾側膵が残存する影響やパンクレアチン投与による膵外分泌不全緩和の効果は不明である。今後、血清ガストリンおよび血漿GLP-1濃度や残膵蛋白量などの測定を行うとともに、組織学的検討を進める予定である。また、手術14日後に同様の検討を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] S Sumi,K Tamura: "Frontiers of pancreas regeneration"Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery. 7・(3). 286-294 (2000)
-
[Publications] 北村義則,角昭一郎 他: "ラット全膵管結紮モデルの耐糖能についての検討"日本胆膵生理機能研究会・胆膵の生理機能. 16・(1). 61-64 (2000)
-
[Publications] 角昭一郎,矢野誠司 他: "膵切除と膵再生"現代医療. 31・(12). 3097-3102 (1999)