2001 Fiscal Year Annual Research Report
腸管のmotilityからみた小腸移植後急性拒絶反応の早期診断法
Project/Area Number |
12671174
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70190197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 稔彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50306734)
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90124958)
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Keywords | 小腸移植 / Motility / ラット / strain gauge force transducer |
Research Abstract |
実験1.ラット小腸運動機能評価の確立 1-(A)腹腔内埋込み型フォーストランスデューサー(FT) 【方法】Wistar Rat(n=5)を用いて、胃・十二指腸・空腸の3点に埋込み型FTを縫着した後、送信機を腹腔内に留置した。【結果】ラットの生存期間は0〜5日(平均2.2日)であった.死後解剖の結果、送信機が大きいことによる摂食障害による衰弱死、腸閉塞が考えられた。【考察】埋込み型FTは、ラットへの応用は現段階では困難かと考えられた。 1-(B)FTのコンピューター直接接続 【方法】雄性Wistar Rat(200-250g)(n=10)、空腸の3点に5cm間隔でFTを装着し、導線は頸部よりPCへ接続した。【結果】Migrating Motor Complex(MMC)が観察可能であり、Duration(min)・Interval(min)・Amblitude(x1/1000(g))は、3.6±0.96、6.8±2.4、55.7±6.3、であった。【考察】PC直接接続で、FTによる小腸運動システムを確立した。 実験2.ラット小腸切断術後の小腸運動機能評価 【方法】雄性Wistar Rat200-2509(n=9)、空腸の15cmを切断し、両端を人工肛門とするT-V loopを作成し、T-V loopの3点に5cm間隔でFTを装着。【結果】MMCが観察可能であり、Duration(min)・Interval(min)・Amplitude(x1/1000(g))はGroup 1で、4.0±0.8、4.4±1.4、83.2±21.1であった。【考察】実験1-(B)のモデルは術後の小腸運動評価にも応用が可能であった。 実験3.ラット小腸移植後の小腸達動機能評価 Group1:Syngenic Model(BN→BN)(n=2)、顕微鏡手術下に、同系異所性小腸移植を施行。小腸グラフトをT-V loopとし、3点に5cm間隔でFTを装着した。Group2:Allogenic Model(BN→LEW, n=1)、T-V loopの3点にFTを装着(免疫抑制剤なし:拒絶群)。Group3:Allogenic Model(BN→LEW, n=1)、T-V loopの3点にFTを装着(FK506:0.64mg/kg/d:非拒絶群)。【結果】Group 1では術後7日目からMMCを観察することができた。MMCのDuration(min)・Interval(min)・Amplitude(x1/1000(g))はGroup1は、7.2±2.0、11.2±2.3、119.9±35.8であった。GroupIIでは、術後5日まで、全くMMC様の収縮群を認めなかった。【考察】以上から、ラット小腸移植において、拒絶反応とMotilityの関係は明らかであり、今後、拒絶の程度とMotility障害の状態を把握することが、拒絶反応の早期診断法として重要であると考えられた。
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