2001 Fiscal Year Annual Research Report
先天性肝酵素欠損症への反復肝細胞移植における免疫寛容の導入と維持
Project/Area Number |
12671191
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00204264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 年 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90312470)
小原 充裕 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00214221)
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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Keywords | 脾臓内肝細胞移植 / RIB-5 / 2 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
肝細胞移植が現在直面している最大の問題は、移植肝細胞の機能低下とそれに基づく繰り返し同種肝細胞移植の際のMHC抗原に対する感作である。本研究では既に感作モデルでの免疫寛容の誘導が指摘されている抗CD4抗体の同種肝細胞移植での有用性を検討した。 同種ラット間で脾臓内肝細胞移植を無処置で行うと、F344からLEWISでは3-4日、F344からWKAでは1-2日の生着しか得られない事が組織学的に確認された。移植前日から連日Ciclosporineで免疫抑制を加える事で生着日数は、それぞれ3週間以上と3-4日に延長した。しかし、RIB-5/2を移植当日から連日投与する方法では無処置群と変わらない生着日数であった。組織学的には、輪郭の不鮮明な変性肝細胞あるいは巨細胞化した所見が見られ、これも無処置群と同様であった。 また、RIB-5/2の投与を続けながら、最初の移植から12日後に同じドナーから2回目の脾臓内肝細胞移植を行ったが、その後の生着日数に明らかな延長は見られなかった。 従ってRIB-5/2単独では同種肝細胞の免疫抑制効果は小さい事、この拒絶による感作期におけるRIB-5/2の使用によって免疫寛容は誘導されない可能性が高い。CD4^+T細胞とCD8^+T細胞はそれぞれ別々に同種肝細胞の拒絶に作用し、そのために"infectious" toleranseのメカニズムと関連した免疫的事象が引き起こされないことが推測される。
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Research Products
(1 results)