2000 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患発症への関与が強く示唆される大腸特異的未知遺伝子の解析
Project/Area Number |
12671194
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 近 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30270804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
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Keywords | 腸内細菌 / 上皮細胞 / syncollin / 生体防御 / exocytosis |
Research Abstract |
無菌マウスに腸内細菌を導入(通常化)した際に、大腸上皮に選択に発現ししかも導入直後に抑制される遺伝子に注目しクローニングを行った。本遺伝子はDifferential Displayによってまず3'末端が同定された。ホモロジーサーチによって、このクローンはすでに報告されている3つのEST配列にほぼ一致することが明らかとなった。 クローニングの手法として、すでに樹立していたcDNAライブラリーのハイブリダイゼーションによる方法にかわって、RACE法をとることとした。そこで、Specific pathogen-freeマウスより大腸上皮細胞を分離、total RNAを抽出した。ここから、poly(A)RNAを精製、クローンテック社のSMART RACE KitによりRACEライブラリーを樹立した。EST配列および我々がサブクローニングしたクローンの間で完全に一致した塩基配列部位にRACEプライマーを作製、5'RACEおよび3'RACEによって増幅産物を得た。これをさらに、各々4つサブクローニングし塩基配列を決定した。 このcDNAは、560塩基、134個のアミノ酸をコードしホモロジーからラットでクローニングされているSyncollinのマウスカウンターパートであることが判明した。Syncollinは細胞内カルシウムの上昇とともにSyntaxinより解離し、分泌細胞のexocytosisに密接に関与する物質であり、通常化の際には生体防御反応の一貫としてsyncollin遺伝子発現抑制によりexocytosis亢進が生じている可能性が示唆された。 今後、マウスモデルにおいてin situ hybridizationを中心に検討し、さらに超微形態的に通常化後の大腸上皮細胞においてexocytosisが亢進していることを示すと同時に、現在ヒトsyncollinのクローニングを試みている。
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