2001 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌に対する5―Fu系抗癌剤の効果予測に立脚した術後補助化学療法の研究
Project/Area Number |
12671199
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 孝雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90235961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英昭 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20292691)
軍司 祥雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60241957)
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
鍋谷 圭宏 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (40322028)
松原 久裕 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282486)
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Keywords | 5-FU / TS / DPD / 胃癌 |
Research Abstract |
昨年度は、内視鏡生検材料を用いてthymidylate synthase TS, dihydropyrimidine dehydrogenase DPD mRNA発現量の測定が可能であること、更にUFT投与後にTS,DPD mRNA値が上昇する傾向にあることを確認した。本年はmRNA発現と実際のUFT投与の組織学的効果を比較した。【対象と方法】同意を得た胃癌患者10例の術前内視鏡検査時に腫瘍からサンプルを採取し、検査後、術前日までUFT400mgを2週間以上投与した。切除標本からサンプルを採取し、real-time PCR法にて各mRNAの発現量を定量的に測定し、GAPDH mRNA量で補正した。組織学的効果判定は胃癌取扱い規約によった。【結果】(1)UFT投与後TS,DPDmRNA発現量の上昇する例が多く、DPDでその傾向が強かった。(2)UFT投与による組織学的効果はgrade 1a, 4例、grade 1b, 3例、grade2, 3例と何れも治療効果を認めた。(3)生検標本のTSmRNAの発現と組織学的効果は相関しなかった。(4)生検標本のDPDmRNAの発現と組織学的効果は相関した。即ちDPD/GAPDHが30x10^<-5>以上ではgrade 1b以上はなく、grade 1aが4例、DPD/GAPDHが30x10^<-5>未満ではgrade 1b以上が6例、grade 1aはなかった(p=0.0048)。Grade2の3例は何れもDPD/GAPDHはUFT投与後、上昇していた。【考察と結論】生検標本でのDPD/GAPDHと組織学的効果が逆相関したことによってUFTの組織学的効果が予測可能であることが示唆された。しかし、DPDmRNA発現はUFT投与によって強く誘導される症例があることから、長期予後に反映するか否かは今後の検討課題と思われた。
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