2001 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス遺伝子導入によるグラフト肝MHC抗原発現抑制と移植肝拒絶反応制御(及び,肝切除後の類洞内皮細胞再生機序に関する研究)
Project/Area Number |
12671204
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 宏明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80272318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 博之 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10312935)
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
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Keywords | 類洞内皮細胞 / 肝再生 / VEGF / 肝細胞 / アンチセンス遺伝子 / MHC抗原 |
Research Abstract |
1.肝切除後の類洞内皮細胞再生機序に関する研究 肝切除後の類洞内皮細胞の再生機構を解明する目的にてラット70%肝切除モデルを用い,類洞内皮細胞の再生に必須でその強力な増殖因子であるvascular endothelial growth factor(VGEF)及び,その受容体であるKDR/flk-1,flt-1の発現を肝切除後の残肝組織において免疫染色,さらにRT-PCR法をもちいてそのmRNAの発現を経時的に検討した。一連の結果より,肝切除後の再生肝では,おもに増殖期の肝細胞からVEGFの産生が起こり,類洞内皮細胞上の発現の亢進したKDR/flk-1,flt-1受容体に作用,肝細胞増殖に遅れて類洞内皮細胞増殖を誘導している可能性が強く示唆され,Journal of Hepatology(2001;34:683-639)において報告した。 2.アンチセンス遺伝子導入によるグラフトMHC抗原発現抑制による移植肝拒絶反応制御に関する研究 アンチセンス方向に組み込んだリコンビナントプラスミド(pc MRT1A)DNAをリポゾームに封入し,グラフト肝の門脈よりの投与することにより,遺伝子導入し,グラフト肝類洞内皮細胞のMHC class I抗原の発現の程度を評価すし,さらにMHCクラスIのみ相違するレシピエントを用いて肝移植後の移植拒絶反応を検討した。(結果)ドナー細胞に遺伝子導入されたアンチセンス遺伝子による類洞内皮細胞のMHC class I抗原のmRNAの発現の低下はRT-PCR法にて確認し得た。しかしながら、in vivoでの実験では、遺伝子導入の効率から、拒絶反応の抑制つまり、移植後の生存日数の延長までは現在のところ至っていない。
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[Publications] Shimizu H., et.al.: "Vascular endothelial growth factor secreted by replicating hepatocytes induces sinusoidal endothelial cell proliferation during regeneration after partial hepatectomy in rats"Journal of Hepatology. 34. 683-689 (2001)
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[Publications] Shimizu H., et.al.: "Mechanism of cold ischemia reperfusion-induced graft injury after orthotopic liver transplantation in rats"Hepato-Gastroenterolgy. 48. 216-219 (2001)