2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671212
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤本 敏博 金沢大学, がん研究所, 講師 (00242561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磨伊 正義 金沢大学, がん研究所, 教授 (80092807)
高橋 豊 金沢大学, がん研究所, 助教授 (10179541)
|
Keywords | Irinotecan(CPT-11) / OK-432 / Th1 / IL-12 / immunochemc therapy / tumor-bearing state |
Research Abstract |
塩酸イリノテカン(CPT-11)は、臨床的には一回投与量を低量とし頻回に投与することで大きな抗腫瘍効果が得られることが判明してきた。実験的にはマウス脾細胞をin vitroでCPT-11(SN-38)とOK-432で刺激培養すると、OK-432により誘導されるIL-10、IFN-γ産生がCPT-11の濃度依存性に抑制された。一方、IL-6およびIL-12についてはCPT-11の濃度が0.4〜0.8μg/mlで産生が増大した。すなわち適量のCPT-11はOK-432刺激によるマクロファージ由来のサイトカイン産生を促進した。 また、B16メラノーマ担癌マウスモデルを作成し治療実験を行ったところ、腫瘍の大きさは、対照群>OK-432治療群>CPT-11治療群>OK-432+CPT-11治療群であり、CPT-11とOK-432の併用投与により腫瘍増大を抑制する相加効果が認められた。この際、担癌マウスの脾細胞から産生されるサイトカインを測定すると、CPT-11治療群でIL-12、IFN-γの産生が抑制されていた。また、in vitroで脾細胞をOK-432で刺激培養して比較した場合も、CPT-11治療群でのIL-6、IL-10、IL-12、IFN-γの産生抑制が顕著であったが、CPT-11+OK-432治療群ではそれらのサイトカインの産生抑制が解除されていた。つまり、CPT-11は,in vivoで抗腫瘍効果を発揮する際Th2 dominant stateを招来する可能性があり、それをOK-432がTh1側へとshiftさせることで併用効果が発現することが示唆された。以上の内容は2編の英文論文に仕上げて,現在投稿中である。 今後、マクロファージ、樹状細胞(Dendritic Cell)に対するCPT-11の刺激作用、ヒト末梢血を用いての検討等へと展開していく予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 藤本敏博 他: "胃癌の腹膜播種に対するMMC+OK-432腹腔内投与の臨床効果"Therapeutic Research. 21. 1940-1945 (2000)
-
[Publications] T.Fujimoto el al.: "The effect of OK-432 on the cytokine production of the tumor bearing mouse splenocytes."Biotherapy. 14. 528-528 (2000)
-
[Publications] 藤本敏博: "肝転移,メカニズムと臨床「免疫療法」"医学書院. 212-219 (2000)