2000 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における染色体不安定性とMAD2遺伝子の役割
Project/Area Number |
12671221
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 隆行 三重大学, 医学部, 助手 (20283541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登 勉 三重大学, 医学部, 教授 (60106995)
三木 誓雄 三重大学, 医学部, 助教授 (50242962)
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Keywords | MAD2 / CIN / プロモーター / 塩基配列 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
癌では、染色体の数の異常(aneuploidy)を認めることが多い。いわゆる染色体不安定性(chromosome instability;CIN)で、染色体数の異常は、有糸分裂の際に娘染色体が等分に分離しないことが原因とされる。最近、染色体分離に関与するタンパク質や遺伝子が数多く報告され、その機能についても解明されつつある。MAD2(mitotic arrest defective 2)遺伝子も染色体分離に関係する遺伝子の一つで、特に、紡錘糸と染色体セントロメアの結合に重要な役割を果たしていると言われている。これまでの報告では、CINを示す大腸癌細胞ではMAD2遺伝子の異常はみられず、タンパク質発現が低下していた。今年度は、タンパク質発現低下の機序を解明する第一段階として、MAD2プロモーター領域のクローニングと塩基配列の決定を行った。米国NIHの研究者より供与されたMAD2 cDNAをプローブとして、ヒト胎盤DNAから作製したファージ・ライブラリーをスクリーニングした。得られた数個のクローンのうち、H1-1クローンがプロモーター領域を含むことがわかった。次に、制限酵素で切断したH1-1クローンをプラズミド・ベクターにサブクローンし、第一コドンから約2kb上流までのプロモーター領域の塩基配列を決定した。一方、抗MAD2抗体を使って、免疫組織化学的にMAD2タンパク質レベルを判定する方法を確立し、原発腫瘍組織で応用可能であることを証明した。
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