2000 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌における癌関連遺伝子カルテの作成:基礎研究から臨床へ
Project/Area Number |
12671231
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
能城 浩和 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (90301340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 明彦 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20294936)
森崎 隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90291517)
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
|
Keywords | 胃癌 / 遺伝子 / 病理組織検査 / 早期癌 |
Research Abstract |
【平成12年度の目的】早期胃癌の縮小手術の適応を決める際に術前癌組織より得られた腫瘍増殖関連遺伝子のプロフィールが有用か否かを検討した。【方法】術前早期癌と診断された41例にて術前内視鏡検査時に癌組織から得られた生検材料を用いて、腫瘍増殖関連遺伝子PDGFA、TGB betaおよびMMP2を選択しRT-PCR法で測定した。これらの術後病理組織検査と腫瘍関連増殖遺伝子プロフィールとを比較検討した。【結果】最終病理組織深達度より術前深達度診断の正真率は68%、過小評価は17%および過大評価は15%であった。PDGFA陽性は22例(54%)、TGB beta陽性は13例(33%)およびMMP2陽性は24例(41%)であった。PDGFA陽性例の深達度SM2以上は3例、TGF betaでは1例、MMP2では6例であり、1因子あるいは2因子以上の組み合わせでも病理組織深達度との相関はみられなかった。また深達度を過小評価された7例および過大評価された6例の補助診断にもなり得なかった。リンパ節転移は3例に認められ病理組織深達度はSEとSM2が2例であった。これらにも遺伝子プロフィールの相関は認めなかった。【現在までの結論】早期癌の縮小手術の適応を考慮する際、PDGFA、TGB betaおよびMMP2を用いた腫瘍関連増殖遺伝子プロフィールの有用性は低いと思われた。深達度MとSM1に対してSM2を区別するもしくは早期癌でリンパ節転移危険群を術前に判断するには他の腫瘍増殖関連遺伝子を加味した新しプロフィールが必要である。
|