2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671233
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒木 祥司 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (30215090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 周次 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70274454)
山口 幸二 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (50191226)
千々岩 一男 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90179945)
中野 賢二 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (00315061)
能城 浩和 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (90301340)
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Keywords | 胆汁酸合成 / 7αヒドロキシコレステロール / 腸管因子 / 胆汁酸代謝 / 調節機構 / ラット |
Research Abstract |
【目的】肝コレステロール7α水酸化酵素活性の制御において胆汁の腸管循環の重要性を再評価するために、ラットにおいて胆汁の内瘻モデルで胆汁酸の代謝に関して研究した。 【方法】ラットの総胆管にポリエチレンチューブを挿入し、その対側を十二指腸(DD群)、小腸(JD群)、盲腸(CeD群)、中部大腸(CoD群)に胆汁内瘻群として、膀胱(ED群)に外瘻群として挿入した。それぞれのグループで7日間胆汁をバイパスした後、肝コレステロール7α水酸化酵素活性、胆汁・門脈血中・末梢血中の総胆汁酸濃度、胆汁中胆汁酸組成、^<14>Cにてラベルしたタウロコール酸の腸管内の吸収率を測定した。 【結果】肝コレステロール7α水酸化酵素活性はDD群とJD群はコントロール群と同様であったが、CeD群ではコントロール群と比べ227%、CoD群では312%、ED群では316%と有意に増加していた。胆汁中および末梢血中、門脈血中総胆汁酸濃度はDD群、JD群とCeD群間では有意な変化は見られなかったが、CoD群とED群ではDD群と比べて有意に低下していた。胆汁中の二次胆汁酸の割合はCeD群では有意に増加していたが、CoD群とED群では低下していた。タウロコール酸の吸収率はJD群、CeD群、CoD群はそれぞれ100%、56%、23%であった。 【考察】肝コレステロール7α水酸化酵素活性がJD群で有意に低下しておらず、また、二次胆汁酸が優位であるCeD群でも低下していなかった点から考えて、胆汁の存在下で吸収される管腔因子および胆汁酸代謝物が胆汁酸生合成の制御因子の可能性は低いと考えられた。肝コレステロール7α水酸化酵素活性は胆汁酸の腸管からの吸収量により制御されおり、腸管からの胆汁酸吸収と関連する粘膜因子により制御されている可能性があると考えられた。 【現況】今年度に予定していた実験はほぼ終了しており、満足すべき結果を得た。この成果は英文論文として現在投稿中である。
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