2001 Fiscal Year Annual Research Report
テロメラーゼ活性並びにテロメラーゼ逆転写酵素の測定による抗癌剤の効果予測法
Project/Area Number |
12671253
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
寺島 雅典 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40197794)
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Keywords | テロメラーゼ / 胃癌 / 乳癌 / 抗癌剤感受性 / テロメラーゼ逆転写酵素 / real-time RT-PCR / 細胞周期 |
Research Abstract |
テロメラーゼ活性並びにテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)の発現からみた抗癌剤の効果予測法を開発することを目的として、ヒト胃癌、乳癌培養細胞株を用いて基礎的に検討した。 胃癌培養細胞株3株、乳癌培養細胞株3株に対して5-flnorouracil(5-FU)、doxorubicin(DOX)、cis-platinum(CDDP)、irinotecane(CPT-11;SN-38)を添加し、経時的に細胞数鞍、細胞周期、テロメラーゼ活性、hTERT mRNA発現量を測定した。抗癌剤の効果と一致してテロメラーゼ活性並びにhTERT mRNA発現量の低下が5-FU、DOX、CDDPでは認められた。しかし、CPT-11では薬剤添加24時間後にテロメラーゼ活性並びにhTERT mRNA発現量の一過性の上昇が認められ、その後低下する結果が得られた。いずれの薬剤においても細胞周期の変動とテロメラーゼ活性並びにhTERT mRNA発現量との間に関連を認めなかった。また、テロメラーゼRNAサブユニット(hTR)、テロメラーゼ付属蛋白質p80(hTEP1)の発現量と抗腫瘍効果との間にも関連を認めなかった。 胃癌培養細胞株MKN-28をヌードマウスに移植し、in vivoでも同様の検討を行ったが、5-FU、DOX、CDDPでは殺細胞効果を反映してテロメラーゼ活性、hTERT mRNA発現量の低下が認められたのに対し、CPT-11では投与1日後にテロメラーゼ活性並びにhTERT mRN発現量の一過性の上昇が認められた。 以上の検討から、テロメラーゼ活性を調節している因子としてはhTERTが最も重要であることが示唆された。デロメラーゼ活性並びにhTERT発現量は抗腫瘍効果に一致して低下するものの、一部の薬剤では一過性に上昇する場合があり、臨床的に効果予測に応用するには注意を要するものと思われた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masanori Terashima: "Telomerase assay as a possible predictor of the response to anticancer chemotherapy"Anticancer Research. 20・1. 293-297 (2000)
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[Publications] Masanori Terashima: "Roles thymidylate synthase and dihydropyrimidine dehydrogenase in tumor progression and sensitivity to 5-fluorouracil in human gastric cancer"Anticancer Research. 22(in press). (2002)
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[Publications] 寺島雅典: "抗癌剤感受性試験の進歩 ATP法"組織培養工学. 26・4. 134-138 (2000)
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[Publications] 寺島雅典: "Real time PCRの臨床応用"血液・腫瘍科. 42・1. 78-85 (2001)
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[Publications] 稲葉 亨, 寺島雅典: "胃癌の診断と治療・胃癌の発癌分子機構・病態、Bub1遺伝子"日本臨床. 59・4. 44-47 (2001)