2000 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌の腹膜播種治療における細胞接着因子インテグリンβ4の有用性に関する検討
Project/Area Number |
12671262
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 俊治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60219102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
久保田 哲朗 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00118944)
渡邊 昌彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80146604)
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Keywords | インテグリンβ4 / 胃癌 / 腹膜播種 / アポトーシス |
Research Abstract |
1,胃癌におけるインテグリンβ4発現の臨床的意義(Prospective study)に関する検討 平成12年4月より本大学病院関連施設の承認を経て、当該施設よりStageIIIおよびIVの進行胃癌の手術検体を集めている。現在までに50検体ほどが集まっており、これらに対してインテグリンβ4発現をRT-PCR法、Western blot法および免疫組織化学染色法で検討した。その結果、インテグリンβ4発現が陰性の検体が10%に認められた。今後は検体数を増やすとともに(目標400検体)、それらについて追跡調査を行い、腹膜播種再発などの臨床的背景因子とインテグリンβ4発現との関連について、統計学的手法により検討を行う予定である。 2,インテグリンβ4遺伝子導入による腹膜播種治療の開発に関する検討 インテグリンβ4の発現ベクターとコントロール・ベクターを作製した。現在、SCIDマウスの腹膜播種モデルが作製可能であり、作成した発現ベクターが導入可能なヒト胃癌細胞株を選定中である。今後は、選定した細胞株を用いて腹膜播種モデルを作製し、腹膜播種結節形成後に発現ベクターをSCIDマウスの腹腔内に導入し、腹膜播種の抑制効果および延命効果についてコントロール群との比較から検討する予定である。 3,インテグリンβ4を介したアポトーシス誘導機構の解明に関する検討 インテグリンβ4を介したアポトーシス誘導の機構について、まず細胞増殖制御因子(CDK、CDK inhibitor等)の発現との関連から検討した。その結果、インテグリンβ4を発現する胃癌細胞株では、CDK inhibitorであるp21が誘導された。このことから、インテグリンβ4はp21の細胞内シグナル伝達に関与する可能性が示唆され、今後はインテグリンβ4を介したp21の誘導機構について検討を進めていく予定である。
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