2000 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞発癌過程および肝細胞癌への抗血管新生療法の臨床応用をめざして
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12671268
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
石井 雄二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40212831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 武史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70318004)
小川 龍之介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10246382)
中里 雄一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30266655)
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Keywords | Matrix Metalloproteinase / VEGF / 血管新生 / サイトカイン / chemoprevention / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
研究目的は肝細胞癌(HCC)の特徴である1.high risk groupの囲い込みが可能2.治療後再発(肝内転移、多中心性発癌)3.腫瘍血管に富む(脱分化にて強調)を考慮した腫瘍関連血管新生制御である。着目したのがMatrix Metalloproteinase(MMP)、Vascucular Endothelial Growth Factor(VEGF)、血管新生関連サイトカインを中心としたネットワークであり、chemopreventionを含めたHCCの治療戦略応用を試みている。基礎的検討ではin vivoではMMP-2,MTl-MMPの発現増強、部位の一致性が発癌に関与し、VEGFにおいても従来の報告と同様に発現が増強し、これらの相互関係で注目すべき所見としてVEGFはMMT-9は比較的一致性があるもののMMP-2,MT1・MMPとはその発現を異にする部分が目立った。またMMP-2の発現とLamininの発現逆相関が特徴的であった。他の免疫組織マーカーも現在その解析を行っている。血管鋳型についても赤色結節(肝動脈)がHCCであり門脈域の血管新生増強、類洞構造の乱れをSEMで確認、MMP-inhibitorおよび血管内皮増殖抑制剤はこれらを抑制するとともに赤色結節を減少させ、またchemoprevention効果も示した。サイトカインについても現在データーを解析中である。一方in vitroではHCVが特にこの血管新生と深い関連があることが示唆された。臨床的検討では各MMPはそれぞれの役割を担っているものの、その一つの抑制では制御は困難であることが推測されたが、発癌過程、発癌後の増殖および浸潤に重要なネットワークが解明されつつある。またMT1-MMPが最大公約数的な働きがあることが明らかにされつつある。またサイトカインにおいてはIFN-γの低下、IL-6の上昇が発癌前後の特徴的所見であった。これらを加味しどのように臨床応用すべきかを不足分を踏まえ検討中である。
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