2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体部分肺移植における移植肺の機能と成長に関する実験
Project/Area Number |
12671310
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊達 洋至 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60252962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 由文 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60322228)
青江 基 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80260660)
清水 信義 岡山大学, 医学部, 教授 (90108150)
永廣 格 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (00311803)
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Keywords | 生体部分肺移植 / ドナー / レシピエント / 肺動脈圧 / 動脈血酸素分圧 |
Research Abstract |
両側生体部分肺移植においては、提供される肺が小さいために、レシピエントとドナーの体格差が重要となる。そこで、平成12年度は、雑種成犬両側生体部分肺移植モデルを用いて、ドナーとレシピエントの体格差の中で、何が最も重要な指標となるかを検討した。 さまざまな体格の雑種成犬34頭を用いて、17頭をドナー、17頭をレシピエントとした。ヘパリン化した後、ドナーの両肺を摘出し、右側は、中葉・下葉・縦隔葉を右グラフトとし、左側は、下葉のみを左グラフトとした。レシピエントに対する移植術は、右グラフト→左グラフトの順に行い、人工心肺は使用しなかった。移植後6時間にわたって、人工呼吸器管理下に肺循環動態およびガス交換能を測定した。ドナー/レシピエント体重比、身長比、胸囲比、肺重量比と術後移植肺機能との関係を検討した。 ドナー/レシピエント体重比は、移植1時間後の平均肺動脈圧と有意な負の相関関係(r=-0.594,p<0.05)を示し、移植6時間後の動脈血酸素分圧と有意な正の相関関係(r=0.704,p<0.01)を示した。一方、他の3つの体格差指標(身長比、胸囲比、肺重量比)は、いずれも術後の移植肺機能と有意な相関が見られなかった。また、ドナー/レシピエント体重比が1.2以上の8頭全例が6時間の観察期間中生存し、しかもその動脈血酸素分圧は100%酸素吸入下で500mmHgを超えていた。一方、ドナー/レシピエント体重比が1.2未満の9頭中4頭が移植手術中あるいは術後観察期間中に死亡した。また、生存した5頭に関しても、動脈血酸素分圧はいずれも500mmHgを下回った。 以上より、両側生体部分肺移植後の移植肺機能の予測に最も重要な指標は、ドナー/レシピエント体重比であることが示された。 平成13年度は、免疫抑制剤を使用した慢性生体肺移植モデルを作成し、移植肺の成長に関する検討を行う予定である。
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