2000 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん発現に関与する脳内抑制系神経受容体と神経回路網の非侵襲的計測に関する研究
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12671343
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
成相 直 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00228090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 道雄 (財)東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究室長 (00216558)
太田 禎久 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70311652)
長岡 司 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70280980)
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Keywords | てんかん / PET / MEG / 神経受容体 / ベンゾディアゼピン / アデノシン / カイニン酸 / 海馬 |
Research Abstract |
てんかんの神経受容体計測と非侵襲的脳機能計測の実験的臨床的応用に関し下記の研究を行った。 1)カイニン酸投与により自発てんかんを生ずるようになったモデル動物に対し、オートラジオグラムの手法により脳内抑制系神経受容体であるべンゾディアゼピンおよびアデノシン受容体の定量計測を行った。これにより、海馬歯状回を中心に両受容体の結合能の亢進(up regulation)が、生じていることを見いだした。(太田) 2)ヒト皮質焦点てんかん患者でのPET計測によるべンゾディアゼピン受容体結合能評価を行った。更にその異常部位を患者本人のMRIに重ね合わせ三次元脳表表示を行い、脳回単位でてんかん焦点部位を推定する手法を確立し、実際に患者手術に応用しその有用性を実証した。今後は、摘出標本との対比によりヒトの抑制系神経受容体とてんかん原性の関係に関しさらなる検討を行う予定である。(成相、千田、太田、長岡) 3)ヒトベンゾディアゼピン結合能をPETを用い簡易的に定量する撮像法に関し検討を行い論文発表を行った。(千田、成相) 4)非侵襲的に、てんかん病態を高解像度で判定するために脳磁図(MEG)の臨床利用を進めた。今年度では、感覚誘発脳磁場を患者自身のMRIでの脳表表示として表すシステムを完成した。この結果を、脳表光学計測法により判定した神経活動部位と対比することで脳回単位での正確さを実証した。これにより、実際の脳構造、PETによる神経受容体計測、MEGによる神経活動部位の非侵襲的計測の全てを正確に対比できるシステムが完成され今後てんかん手術患者で高い精度のてんかん原性に関する情報を得ることが出来るようになり、臨床研究を継続している。(成相、太田、長岡)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishiwata K et al.: "IIC-labeled KF18446 : a potential central nervous system adenosine A2a receptor ligand."J Nucl Med. 41. 345-354 (2000)
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[Publications] Wakabayashi S,Nariai T et al.: "A PET study of adenosine A1 receptor in anesthetized monkey brain. "Nucl Med Biol. 27. 401-406 (2000)
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[Publications] Shimizu T,Nariai T et al.: "Enhanced motor cortical excitability in the unaffected hemisphere after hemispherectomy [In Process Citation]."Neuroreport. 11. 3077-3084 (2000)
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[Publications] Mishina M et al.: "Intrasubject correlation between static scan and distribution volume images for [IIC] flumazenil PET."Ann Nucl Med. 14. 193-198 (2000)
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[Publications] 成相直: "特集「高次脳機能マッピング 1.脳疾患患者機能局在のPETによる解析」."脳と神経. 53. 107-116 (2001)
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[Publications] Nariai T et al.: "Focal Cerebral hyperemia in post-concussive amnesia."J Neurotrauma. (in press). (2001)