2001 Fiscal Year Annual Research Report
局所脳破壊で獲得される虚血抵抗性の分子生物学的解析
Project/Area Number |
12671352
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川口 健司 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (90303742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
堀 康太郎 三重大学, 医学部, 助手 (10303728)
松島 聡 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (50252367)
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Keywords | 脳保護 / 脳虚血 / 局所脳破壊 / GLT-1 / GluR2 / bcl-2 |
Research Abstract |
4血管閉塞による前脳虚血モデルでの海馬と中大脳動脈閉塞による局所脳虚血モデルでの大脳皮質における遺伝子・蛋白発現について検索した。 (1)グルタミン酸トランスポーター(GLT-1)についてはDeep prepiriform cortex(DPC)非破壊群では遺伝子発現、蛋白発現ともに虚血後低下し24時間目以降横ばいであったが、DPC破壊群では遺伝子発現、蛋白発現ともに24時間目をピークにして増加した。 (2)グルタミン酸受容体サブユニット(Glu R2)については非破壊群で遺伝子発現、蛋白発現ともに低下し8時間目以降横ばいを示したが、DPC破壊群では遺伝子発現は8時間目に、蛋白発現は24時間目をピークにして増加した。 (3)アポトーシス関連因子(bcl-2)については非破壊群で遺伝子発現、蛋白発現ともに低下し8時間目以降横ばいであったが、DPC破壊群では遺伝子発現、蛋白発現ともに8時間目をピークにして増加した。 (4)虚血後7日目にDPC破壊群で有意に前脳虚血モデルでは海馬残存細胞数が多く、局所脳虚血モデルでは大脳皮質脳梗塞が縮小していた。 以上の結果から、DPC非破壊群では、虚血負荷後に虚血性神経障害に対して保護的に作用すると考えられるグルタミン酸トランスポーター(GLT-1)、グルタミン酸受容体サブユニット(Glu R2)、アポトーシス関連因子(bcl-2)の遺伝子・蛋白発現が低下するが、DPC破壊群では虚血負荷後にこれらがいずれも、DPC破壊後の発現量より低いレベルではあるが、増加傾向を示すことが明らかとなった。さらに、実際の神経傷害の程度もDPC破壊群で軽減されたことより、DPC破壊が種々の遺伝子・蛋白発現に変化を惹起し、これが虚血性神経傷害の程度に影響を及ぼすことが明らかとなった。
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