2000 Fiscal Year Annual Research Report
頸動脈動脈硬化巣の形態学的、生化学的分析による脳梗塞発症機序の検討
Project/Area Number |
12671361
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宇野 昌明 徳島大学, 医学部, 講師 (90232884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板部 洋之 帝京大学, 薬学部, 助教授 (30203079)
福沢 健治 徳島大学, 薬学部, 教授 (90035551)
永廣 信治 徳島大学, 医学部, 教授 (60145315)
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Keywords | 酸化LDL / 頸動脈狭窄症 / 脳梗塞 / 過酸化脂質 / 頸動脈内膜剥離術 |
Research Abstract |
粥状硬化性頸動脈狭窄症に対して施行した頸動脈内膜剥離術によって摘出された41個のplaqueの形態を観察し、またその動脈硬化の不安定性の指標としてplaque内の過酸化脂質量に着目し検討した。過酸化脂質量はTBARS法で測定した。 1)Plaqueの病理組織の所見と過酸化脂質量との関係 病理学的所見からplaqueをlipid core(LP)の量とマクロファージ(Mφ)の発現量により3つのグループ(GroupI:LC<10%、GroupIIa:LC10-30%、Mφ<5%、GroupIIb:LC10-30%、Mφ≧5%、GroupIII:LC≧30%)に分類した。その結果、GroupIIIではTBARS値は他の2群より有意に高かった。またGroupIIbはGroupIIaよりTBARSの値が1.5倍高かった。以上より病理組織学的にunstable plaqueと言われるものほどTBARSの値が高かった。 2)頸部エコー所見と過酸化脂質量との関係 Plaque摘出前の頸部エコーの所見よりplaqueの性状を低輝度、混合型、高輝度の群に分類すると、不安定性を示すとされる低輝度のplaqueほどTBARSの値が高かった。 以上より、TBARSに代表された過酸化脂質量と頸動脈plaqueの不安定性には有意な関連があることが示唆された。 今後は板部らによって開発された酸化LDLモノクローナル抗体(DLH3)を使用して動脈硬化巣の酸化LDLの分布および含量を測定し、それが血中の酸化LDL濃度とどう関連するかを検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 宇野昌明,新野清人,西京子,永廣信治: "無症候性頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術"脳卒中の外科. 28. 171-176 (2000)
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[Publications] Uno M,Nishi K,Shinno K,Nagahiro S: "Carotid endarterectomy with external shunt -A new device and indication for use-"Neurosurgery. 48(in press). (2001)
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[Publications] Uno M,Hamazaki F,Kohno T,Sebe A,Horiguchi H,Nagahiro S: "Combined therapeutic approach of intra-arterial thrombolysis and carotid endarterectomy in selected patients presenting with acute thrombotic carotid occlusion"J Vasc Surg. 33(in press). (2001)
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[Publications] Uno M,Harada M,Nagahiro S: "Quantitative evaluation of cerebral metabolites and cerebral blood flow in patients with carotid stenosis"Neurol Res. 23(in press). (2001)