2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫の悪性化におけるp16遺伝子不活化の生物学的意義の解析
Project/Area Number |
12671380
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
安達 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70291143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 雅生 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90010454)
西川 亮 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90237678)
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Keywords | グリオーマ / p16 / p14(ARF) |
Research Abstract |
神経膠芽腫において高率に失活している染色体9pのINK4a遺伝子座の遺伝子、p16とp14(ARF)それぞれの不活化の生物学的意義の解明のための研究を行った。本研究にて今年度は以下の事を解明した。(1)既に樹立した、テトラサイクリンにてp16,p14(ARF)遺伝子発現のON/OFFがそれぞれ調節可能でヌードマウス造腫瘍性を持ち、p53遺伝子が野生型と変異型の複数の神経膠芽腫細胞(クローン)においてp53遺伝子のstatusと無関係にp16遺伝子発現により細胞周期におけるG1期での細胞増殖停止が誘導されることをin vitroで明らかにした。(2)P14(ARF)遺伝子がホモ欠失している神経膠芽腫細胞にgreen fluorescence protein(GFP)発現ベクターとp14(ARF)遺伝子発現ベクターを同時に遺伝子導入してGFP陽性細胞をtransfected cellsとしてフローサイトメーターにて解析し、p14(ARF)遺伝子発現はp53野生型神経膠芽腫細胞にG2/M期での細胞増殖停止をもたらすことを示した。 以上の結果から、p16遺伝子不活化は細胞周期をG1期に停止させる機構の破綻により、またp14(ARF)遺伝子不活化はp53野生型神経膠芽腫細胞の細胞周期をG2/M期に停止させる機構の破綻にて神経膠腫の悪性化に寄与しているものと考えられた。
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Research Products
(1 results)