2000 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸カルシウムセメントと骨髄細胞添加によるrhBMP-2有効濃度低減の検証
Project/Area Number |
12671446
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
野中 藤吾 近畿大学, 医学部, 講師 (70268407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 宏 近畿大学, 医学部, 助手 (30309306)
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Keywords | 生体吸収性リン酸カルシウムセメント / rhBMP-2 / 骨髄細胞 / 複合体 |
Research Abstract |
生体吸収性リン酸カルシウムセメント・rhBMP-2複合体の骨誘導能が骨髄細胞の添加により促進されるか確認する実験をラットを用いて行なった。 まず、3mm厚の10mmセメント円盤(内腔2.3mm)を作成しrhBMP-2を5μg添加した。さらに、内腔に骨髄血を充填した。1)rhBMP-2+骨髄血、2)rhBMP-2、3)骨髄血、4)セメントのみの円盤の4種類をSDラット皮下に留置し3,6週観察した。 rhBMP-2+骨髄血群はrhBMP-2群に比べ3.5倍の骨形成を3週で認め、骨髄血のみよりも骨形成が多かった。また、rhBMP-2のみの添加ではセメント周辺しか骨形成が生じなかったが、骨髄血の添加により内腔全体に骨形成が生じた。未分化細胞をBMPで分化させるより、骨に分化した細胞を含んだ骨髄細胞の方が少ないrhBMP-2により骨形成を生じるためBMP濃度の低い内腔中央でも骨形成を生じたと考えられ、rhBMP-2+骨髄血の複合化が生体吸収性リン酸カルシウムセメントの有用性を高めることがわかった。 さらに、5×5mmセメント円筒(内腔3mm)をSDラット大腿骨の全骨欠損部に留置し、rhBMP-2 1.26μg添加群、rhBMP-2 1.26μg+骨髄血添加群と骨欠損の修復を比較した。RhBMP-2+骨髄血群は3週で内腔内に骨形成を生じ、9週で60%が骨癒合し、BMP-2群は40%、骨髄血群は0%が癒合した。しかし骨強度はRhBMP-2+骨髄血群で正常骨の70%であった。骨欠損部でもRhBMP-2+骨髄血の有効性が確認された。 生体吸収性リン酸カルシウムセメントrhBMP-2・骨髄細胞の複合化が臨床的に有用であることを証明するためにさらに基礎的実験を続ける予定である。
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