2002 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症性ショックの病態の解明-ニトロ・カテコールアミンの役割-
Project/Area Number |
12671458
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
高倉 康 福井医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40206735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 悟 福井医科大学, 医学部, 教授 (30116751)
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Keywords | パーオキシナイトライト / ノルエピネフリン / 血管収縮 / 敗血症性ショック / 一酸化窒素 / スーパーオキシド / 吸光度 / 機能実験 |
Research Abstract |
【背景】敗血症時に大量に産生されるnitric oxide(NO)とsuperoxide(O_2^<-1>)は各々catecholamineと反応し失活させることが知られている。しかし、NOとO_2^<-1>が反応して生成されるperoxynitrite(ONOO^<-1>)がnorepinephrineとどう反応するかは不明である。 【目的】1.norepinephrineはONOO^<-1>と反応しどう変化するか、2.低濃度のONOO^<-1>を徐々産生する3-morpholinosydonimine-N-ethyl-carbamine(SIN-1)もnorepinephrineと反応しnorepinephrineの血管収縮力を減弱するのか、を検討する。 【方法】1.pH7.4、37℃のリン酸ナトリウム緩衝液にnorepinephrineを溶解し、ONOO^<-1>を加え反応させ、反応液の吸光度(200-600nm)を測定した。2.オスのWister rat(300g)から摘出した胸部大動脈らせん状切片を用い、機能実験を行った。pH7.4、37℃のリン酸ナトリウム緩衝液にnorepinephrineを溶解し、SIN-1を加え反応させた。胸部大動脈を懸垂したKrebs液中に、SIN-1と反応させたnorepinephrineを加え、等尺性張力を測定した(n=6-10)。 【結果】1.ONOO^<-1>と反応する前のnorepinephrineは280nmに吸光度のpeakがあったが、ONOO^<-1>と反応後は295および370nmの2ケ所に変化し、その比は2:1であった。2.SIN-1は反応時間依存性にnorepinephrineの血管収縮力を有意に減弱した。 【結論】ONOO^<-1>はnorepinephrineと反応し、酸化させる。低濃度のONOO^<-1>でも長時間反応すればnorepinephrineの血管収縮力を減弱する。これは、敗血症時のnorepinephrineの血管収縮力低下の一機序と考えられる。
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Research Products
(1 results)