2001 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄での揮発性麻酔薬の麻酔作用における一酸化窒素cGMP系の役割に関する研究
Project/Area Number |
12671461
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 孝澄 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (80204478)
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Keywords | 一酸化窒素 / MAC / セボフルレン |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は、N-methyl-D-asparate(NMDA)あるいは、非NMDA受容体を介して興奮性アミノ酸の刺激に反応して一酸化窒素合成酵素(NOS)によって産生され、神経伝達物質として働く。NO-cyclic guanosine monophosphate(cGMP)の伝達系は、麻酔や鎮痛に関して重要な役割を果たしていることが示唆されている。前年度我々は、NOS inhibitor、7-nitroindazole(7-NI)の、sevoflurane MAC及びRighting reflex ED_<50>(RR)に対する影響を調べた。今年度は、sevofluraneのMAC及びRR ED_<50>の標的臓器であろう中枢神経の中で最も麻酔と関連が深いと考えられている大脳、小脳、脊髄に対する7-NIの作用を各臓器中のcGMP濃度を測定することで調べた。【方法】12匹のラットを6匹ずつの2グループに分けた。コントロール群には2ml/kgのピーナッツオイルを、実験群には2ml/kgのピーナッツオイルに溶解した7-NI 100mg/kgを経腹膜的に投与した。投与一時間後頚椎を脱臼させたのち左心室より冷還流液で還流した。その後、大脳、小脳、脊髄を取り出し組織内のcGMPを測定した。【結果】コントロール群の大脳、小脳、脊髄のcGMP濃度はそれぞれ7.2±2.1,44.9±14.5,8.5±3.8pmol mg^<-1> proteinであった。実験群では100mg/kgの7-NI投与で大脳、小脳、脊髄のcGMP濃度はそれぞれ6.8±2.1,20.0±9.2,6.6±4.4pmol mg^<-1>.になった。【結論】7-NIの急性投与により小脳中のcGMPは有意に低下したが、脊髄および大脳内のcGMPは低下しなかった。7-NIの薬理学的効果が観察するエンドポイントによること異なっていることを説明できると考えられる。
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