2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671489
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山蔭 道明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70285005)
|
Keywords | パッチクランプ法 / 心筋細胞 / βサプユニット / クローニング / カルシムウムチャネル / シングルチャネル |
Research Abstract |
L型Ca^<2+>チャネルは心臓の興奮-収縮連関に重要な役割を果たしている.Ca^<2+>チャネルとしての基本的な機能はα_<1c>サブユニットが担っているが,補助サブユニットとくにβによってCa^<2+>チャネルの細胞膜への発現や電流のカイネティクスの調節が行われている.現在,4種類のβサブユニット(β_1〜β_4)とそれらのスプライスバリアントが同定されているが,ラットの心筋でβ_<2a>サブユニットが実際に発現し機能しているかは明らかでない.最近,我々はラット心筋からβ_2サブユニットのスプライスバリアントをクローニングし,β_<2c>サブユニットと名づけた.β_<2c>サブユニットのmRNAはラットの心臓と脳で豊富に認められ,β_<2a>サブユニットのものは脳では認められたが,心臓では検出されなかった.また,whole-cell patch-clamp法によって,β_<2c>サブユニットを用いて再構成されたCa^<2+>電流の不活性化率は,ラット心筋で測定されたものとほぼ同等であり,それらに比して,β_<2a>サブユニットを用いて再構成されたCa^<2+>電流のものは遅かった.これらの結果より,β_<2c>サブユニットがラットの心筋で機能するβサブユニットのひとつであると考えられた.今回我々は,β_<2a>サブユニットあるいはβ_<2c>サブユニットを用いて再構成されたCa^<2+>チャネルと,ラット心筋のCa^<2+>チャネルの単一チャネル記録を行い,解析を加え,比較検討した.β_<2c>サブユニットを用いて再構成されたL型Ca^<2+>チャネルの単一チャネル活動の特徴は,単離心筋で測定したnativeのCa^<2+>チャネルのものとほぼ同等であり,β_<2a>サブユニットを用いて再構成されたCa^<2+>チャネルのものとは異なっていた.以前の我々の報告とあわせて,β_<2c>サブユニットは心臓で発現し機能しているβサブユニットのひとつであると考えられた.
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Yamakage M: "Calcium channels -Basic aspects of their structure, function and gene encoding ; anesthestic action on the channels"Canadian Journal of Anesthesia. 49・2. 151-164 (2002)
-
[Publications] Yamakage M: "Effects of anaesthetic agents on airway smooth muscles"British Journal of Anaesthesia. 88・5. 624-627 (2002)
-
[Publications] Yamakage M: "The repolarizing effects of volatile anesthetics on porcine tracheal and bronchial smooth muscle cells"Anesthesia and Analgesia. 94・1. 84-88 (2002)
-
[Publications] Yamakage M: "Sevoflurane inhibits contraction of uterine smooth muscle from pregnant rats similarly to halothane and isoflurane"Canadian Journal of Anesthesia. 49・1. 62-66 (2002)
-
[Publications] Chen X: "Inhibitory effects of volatile anesthetics on potassium and chloride channels currents in porcine tracheal and bronchial smooth muscles"Anesthesiology. 96・2. 458-466 (2002)
-
[Publications] Yamada Y: "A truncated splice variant of KCNQ1 cloned from rat heart"Biochemical & Biophysical Research Communications. 294. 199-204 (2002)
-
[Publications] 山蔭道明: "日常診療に役立つ医療ガスと危機管理"真興交易株式会社医書出版部. 221 (2002)