2000 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素負荷および一酸化炭素吸入の脳内神経伝達物質放出に及ぼす影響
Project/Area Number |
12671493
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大槻 学 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70233195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村川 雅洋 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90182112)
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Keywords | 一酸化炭素 / マイクロダイアリーシス / 脳内アセチルコリン |
Research Abstract |
低酸素状態は脳神経細胞にとって最大のストレスであり、低酸素負荷の程度と時間により神経細胞障害の程度が決定される。一方、一酸化炭素は、一酸化炭素ヘモグロビンの形成により組織低酸素症を引き起こすほか、一酸化炭素それ自身の神経細胞障害が加わる。そのため両者を低酸素状態による神経細胞障害と同一視することはできない。本研究では、マイクロダイアリーシス法を用いて低酸素負荷および一酸化炭素暴露時の脳内グルタミン酸、アセチルコリンを測定し、両者の違いを検討した。 実験前日、wistarラットにペントバルビタールを腹腔内投与し麻酔し、定位脳固定装置を用いて前頭皮質にガイドカニューレを挿入した。当日、透析カニューレを挿入後プラスチック箱にラットを入れガスの吸入を行った。透析液の回収は20分毎とした。グルタミン酸は、低酸素負荷(95%窒素・5%酸素混合)により20分、40分後で著名に上昇し、60分後にはほぼ前値に戻った。一酸化炭素含有(0.025%)の空気吸入では低酸素負荷と同様の傾向であったが上昇の程度は少なかった。アセチルコリンは、低酸素負荷により20分後で低下したが、40分後にはほぼ前値に回復した。一酸化炭素含有空気吸入では、20分後で低下傾向を示すもののバラツキが大きかった。40分後ではほぼ前値と同様であった。データのバラツキに関して、一酸化炭素吸入により全身痙攣を強く起こすことがあるため、これら行動変化と透析液の回収時期を含めて検討中である。
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